正解と不正解 ページ25
答えが出せない。
黒尾｢まあ、今すぐにって言うと
答え出せないだろうし、
ゆっくり考えていいと思うよ。｣
｢どうやって選べばいいんですかね、｣
黒尾｢人それぞれだろうね。
好きな人をとるか、好きでいてくれる人をとるか、
俺なら好きな人とるけどね。｣
｢なんでですか？｣
黒尾｢だって、好きだから一緒にいたいじゃん。｣
｢まあ、そうですけど…｣
黒尾｢自分が正しいと思うことも時には大切だよ｣
それでもまだ迷う。
｢本当に浮気したんでしょうか…｣
黒尾｢…俺にはわからないな｣
｢ずっと京治のそばに居て、
彼の言うことには根拠があって。…だから｣
黒尾｢ならさ、信じてあげな、結果はどうであれさ。｣
くしゃくしゃと頭を撫でられ、涙がこぼれ落ちた。
迷っていたのは信じるべきかどうかだったようだ。
月島｢黒尾さん、Aのこと泣かせた〜｣
ひょこっと現れて黒尾さんいじりをしながら
月島くんは近づいてくる
黒尾｢泣かせてないし！！泣かせたのは赤葦！！｣
月島｢はいはい、A借りますね。｣
そう言って手を引かれ、下駄箱まで来た。
｢蛍くんどこ行くの、｣
月島｢赤葦さん家。僕も行くから話そう。｣
｢京治に話すことなんてない、｣
思わず足を止めた月島くんは困っていた。
月島｢本当は迷ってるでしょ。だから行こう。｣
｢聞くの怖いから蛍くん聞いてきて｣
月島｢自分で聞かないと。｣
｢…一緒に居てくれる？？｣
月島｢ショートケーキ追加で｣
｢もちろん！！｣
靴を履き替えて、学校を出て、駅まで歩いた。
｢京治の事どう思ってる？｣
月島｢いい人だと思ってます｣
｢例え、浮気してても？｣
月島｢僕にとってはバレーの先輩なので、
関係ないです。｣
｢浮気されてても付き合ってちゃダメなのかな｣
月島｢Aさんがそうしたいなら、
別れなくても正解だと思います｣
改札をくぐり、電車を待つ。
｢京治以外の人とここに来るとは思わなかった｣
月島｢僕も、東京来て電車乗るとは思わなかった｣
こういう時に早く来る電車に
少し残念がりながら乗り込む。
｢はぁ…｣
月島｢座ります？｣
座席が一つしか空いておらず
それを指さす月島くん。
｢大丈夫、すぐ着くし。｣
月島｢そうですか｣
特に話すことも無く、ただ電車に揺られた。
駅に着いて降りると、電話が鳴った。
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作者名：まなか | 作者ホームページ：http://mana_no_syo_settu
作成日時：2019年4月20日 0時
