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赤葦「頼って…くれてたんだ、ごめん。
黒尾さんとかに相談してたらしいし
俺じゃダメなのかなって思ってたから…ごめん。」
京治は少し嬉しそうだった。
「ううん、いいの。そう言えば、手伝うことって何?」
赤葦「あぁ、えっと、これなんだけど…」
京治はガサガサと鞄の中を漁って
数枚の資料を取り出して渡してきた。
「これって、」
赤葦「うん、去年の個人のスコア」
「これをどうするの?」
赤葦「今年の…現時点までのスコアと比較してまとめて欲しいんだけど、お願い出来る?」
「うん、合宿明けには終わらせておくね。」
赤葦「助かるよ、ありがとう。」
「…もうあと3日で合宿終わりだね、」
赤葦「これが終わったら大会だしね、」
「頑張ろうね、最後まで」
赤葦「うん。よし、寝ようか。」
「布団1つしかないよ?」
赤葦「一緒に寝ればいいかなって思ったんだけど…」
ダメ?と首をかしげた彼が可愛くて。
「ダメじゃない、」
そう言うしかなかった。
赤葦「ならよかった、おいで。」
資料を机の上に置いて、
両手を広げる彼に飛びついた。
彼は私を抱きとめるとそのまま布団に入った。
床に置いてあったリモコンで電気を消して、
仰向けで話を始めた。
「明日も練習だね、」
赤葦「うん、疲れた??」
「音駒の人達が手伝ってくれたから
結構楽だったよ、」
赤葦「明日はあんまりAのこと見れないから
自分でちゃんと休憩したりしてね、」
「うん、わかった。京治も休んでね。」
赤葦「ん…わかった、」
少し眠そうな声だったので、
京治の方を見ると、目がとろんとしていた。
「京治眠いの?」
京治の方を向き、彼を見つめると
赤葦「大丈夫、起きてるよ…」
と言って私の方を見た。
「眠そうだよ?」
赤葦「ちょっとだけ眠い、かな」
「寝ていいよ、無理しないで。」
とは言うものの、寝てしまうのは寂しい。
赤葦「A寂しいでしょ…?」
「大丈夫だから、寝ていいよ」
赤葦「…おいで。」
彼は私と彼との間のスペースをぽんぽんと叩いた。
近寄ると、彼はすかさず私に腕を伸ばして
彼の胸の中に収められた。
「京治暖かいね。」
赤葦「そう…?でも、低体温だよ」
「うん、でも暖かい。」
赤葦「ん、よかった…」
そう言ったきり、彼は眠ってしまった。
彼の体温が心地よくて、
その後すぐに眠ってしまったのは言うまでもない。
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作者名:まなか | 作者ホームページ:http://mana_no_syo_settu
作成日時:2019年4月20日 0時