放物線軌道 (ページ28)

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休憩ページ28

木兎｢赤葦！｣
体育館に入るなり、大声で呼ばれた。

孤爪｢長かったね…どうしたの？｣
赤葦｢内出血して腫れちゃって…
でも、手当してもらったからもう平気。｣
黒尾｢それであの可愛いマネちゃんは？｣
赤葦｢気にしないでください。
じきに戻ってきます。｣
そう言って梟谷のコートに入る。

赤葦｢遅くなってすみません。｣
木兎｢赤葦のせいでブロックに弾かれまくり！｣
赤葦｢それ、俺のせいですか…｣
木兎｢赤葦のトスは俺が気持ちよく打てる！｣
だからブロックを打ち抜ける、と。

木兎さんに言いたい放題言われて
練習試合が始まる。

木兎｢赤葦！俺にくれ！｣
赤葦｢木兎さん…！｣
チャンスボールが回ってきて
木兎さんにトスを上げる。

タイミングよく当たってクロスを決める。

木兎｢きたきた～ヘイヘイヘーイ！｣
この為に頑張った、と言いたげ。

結果としては、梟谷の圧勝。

1時間ほどの休憩に入った。

木兎｢体冷やすなよ～｣
そう言われて気づく。
俺、ジャージどこに置いたっけ。

白福｢赤葦ジャージは？｣
赤葦｢多分、保健室に…｣
戻って起こすのも気が引けて、
汗をタオルで拭き取るだけにした。

座って俯いてる俺に誰かがジャージをかけてきた。

思わず顔を上げる。
保健室で眠ってるはずの彼女がここにいて。
A｢忘れ物。京治のだよね？｣
赤葦｢丁度困ってた。ありがとう。
もう寝なくて大丈夫？｣
A｢大丈夫～、支障はないよ！
それに…みんな頑張ってるのに休めない。｣
赤葦｢ここ、おいで。｣
自分の隣の床をとんとん、と叩く。

A｢起きたら京治居なくって。
隣のベッドにジャージ置いてあって…｣
隣に座ってそういった。

赤葦｢ありがとう。助かった。｣
Aさんのさらさらした髪をくしゃりと撫でる。
A｢京治、約束…｣
赤葦｢うん。明日だね。｣
A｢でも合宿中だよ？｣
赤葦｢夕方から抜ける、って木兎さんに言ってきた。｣
A｢デート？｣
赤葦｢だね。｣
そういうとAさんは嬉しそうに微笑んだ。

でも、忘れちゃいけない事が1つ。

赤葦｢烏野も明日は混ざるから、注意してね。
…特に3年のセッター。｣
A｢うん、わかった…3年？｣
赤葦｢優しい人だけど気をつけないと…取られる。｣
A｢そんなすごい人なの！？｣

多分Aは試合の話だと思ってる。

赤葦｢向こうのこと好きにならないでね。｣

と彼女に釘を指した