Please keep holding my hands. ーどうか、この手を離さないでー (ページ5)

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龍友サイド

ある部屋に連れて行かれ、
まだ高校生ぐらいの可愛らしい女の子がピアノの前に立っていた。

健二郎さんの娘さんの凛ちゃん。

数回会って挨拶程度はしたことあるけど、
ちゃんとお話をしたことなかったから初めましてと挨拶をした。

隆二さんと凛ちゃんとのボイトレは本格的ではないが、
心地よいピアノに合わせているので声もよく出ている。

今までなかなか納得いかなかったところも、
隆二さんのアドバイスがとても勉強になった。

また凛ちゃんも音感も合わせてくれたり、
何度もキーを合わすのを手伝ってくれて、
久しぶりに歌う楽しさを味わった。

時々、目を合わせるとちょっと恥ずかしながらも笑顔を見せてくれる。

俺もちょっと照れながら微笑んだ。

隆二「龍友、いい顔してるじゃん。

キーも合ってきたから、最後に一曲俺と歌おうぜ！

凛ちゃんリクエストしてくれる？」

凛「じゃぁ、今日はGENEの涙で…」

凛ちゃんのピアノから奏でる音が心地良くて俺と隆二さんの声がそれに乗って響き渡る。

しっかりと気持ちを乗せて歌う事ができた。

隆二「ありがとう。凛ちゃん！？」

彼女の目からは涙が流れていた…

とっても綺麗で俺は見とれていた…

ドキン！

何かが俺の中で弾けた。

でもそれが何だったのか今はわからなかった。