Please keep holding my hands. ーどうか、この手を離さないでー (ページ11)

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隆二サイド

あれから龍友の声も調子が上がってきていると

トレーナーから聞いている。

嬉しい反面、複雑な心境だ。

エレベーター前で龍友の目が男の目になっていた…

凛ちゃんもきっと…

健ちゃんに気づかれるのも時間の問題だろうな…

ふぅっと溜息をついた。

prrprrprr

隆二「もしもし？

…、うん。わかった、今どこ？

…、じゃ、駐車場に来てくれる？

誰かに聞かれたらマズイだろ？

…、いいから、わかった？」

まだ、無自覚かよ。

ホントにこっちの気持ちも知らないで…

駐車場で待っていると

コンコン

隆二「乗って！」

車に乗り込むと、とりあえず俺の家に迎う。

部屋に入り、ビールを渡す。

隆二「で、話って？」

龍友「この前はありがとうございました。

あれから調子良くて笑助かりました。」

隆二「うん。調子良いみたいだね～。

話はそれだけ？」

龍友「俺、この前凛ちゃんに携帯番号渡しました。

で、隆二さんと健二郎さんの許可頂こうと思って…」

隆二「健ちゃんに話したの？」

龍友「いえ、まだ。

まずは隆二さんからが筋を通してからと…」

隆二「凛ちゃんはなんて？」

龍友「初めは悩んでました。

でも許可取るからって話したら、

また俺の歌聴きたいって」

隆二「…、龍友、先に忠告だけしとく。

凛ちゃんは健ちゃんの大事な娘だからね。

わかってるよね？」

龍友「はい！でもホントキー合わせとか上手いし、

またお願いしたいんです。

隆二さん、お願いします。」