4/17 何でもない家族の話【※小説擬注意】 ページ19
僕は鬼になった。
嘘吐きの、天邪鬼に。
そのせいかは知らないが、素直に感想が言えない。
夕飯。
叔母さんの美味しいご飯を食べる。拓弥と、叔父さんも一緒だ。
「どうかな?蒼依君。美味しい?」
「ぉ…。ふ、普通…」
嘘。美味しい。
でも、それが言えない。
「あら?そう…。本当は?」
「うっ…」
「普通とかじゃなくて、ちゃんと美味しいやら不味いやら言ってくれないと、困るよ」
「ううううう」
「おい母さん止めてやれ…。蒼依が苦しそうだ」
唸っていると、拓弥が止めてくれた。神だ…。
「まぁ、確かに普通だとよく分からないよな。ほれ、食わせてやるから口開けて感想言え」
筍を掴み、僕の口許によせる。
「い、否…いくら拓弥でも「あーん」は流石に…」
「つべこべ言わずに食え」
「むぐぅッ?!」
躊躇してると、容赦なく筍を口に突っ込んできやがった。
暫く咀嚼音が聞こえた。
うん、美味しい。
「…しい」
「なんだって?」
「べ、別に美味しいとか…ッ。……美味しい、です」
「うむ、素直でよろしい」
拓弥はそういってニカリと笑った。
ーーー
執筆中の「紙の中を旅する男」のあれです。閑話休題みたいな、それです。
思い付いたので書いちゃったテヘペロ☆←
そろそろ話考えないと不味いなと思います。
終わる
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作者名:涼風梓 | 作者ホームページ:http://ukaitue
作成日時:2019年3月26日 10時