コード・ブルー 奇跡のお話

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藍沢side






藍沢「黒田先生！！！」




急いで医局に戻り、黒田を呼ぶ。






黒田「どうした、藍沢……岡野莉里、大丈夫だったか？」




藍沢「それが…話を聞いて、記憶障害の原因が分かったかもしれないです」




黒田、白石、緋山、藤川「「「「えっ！？」」」」





黒田「藍沢、どういうことだ？」



藤川「原因が分かったかもって…どういうことだよ！？」



緋山「莉里、なんて言ってた！？ あの香水べちゃべちゃ女のこと、何か分かった！？」



白石「莉里ちゃんに、何があったの！？」






香水べちゃべちゃ女…？


あぁ、田中のことか…ネーミングセンス(笑)





藍沢「…結論から言うと、精神的ショックが原因の心因性記憶障害だと考えられます」



緋山「心因、性…？」



藍沢「予想通り、小さい時から施設で暴力を受けてたらしい。それで…」







それから俺は莉里から聞いたことをそのまま伝えた…







藍沢「あの日の前日に聞いた事実に対してのショックによる心因性の記憶障害でしょう。」




黒田「莉里のご両親…あの時に運ばれてきた夫妻だったのか…？」




藍沢「多分、そうです。」





あの時に運ばれてきた夫妻、とは…



13年前、莉里がまだ2歳だったころ、城北救命センターに運ばれてきた岡野夫妻のことだ。



俺たちはまだここで働く前だったが、黒田は既にここにいたのだろう。





黒田によると…





岡野夫妻は自宅にて殺人事件に巻き込まれた。



パーティーに呼ばれていた客がすぐに通報し、夫妻はここへ運ばれたものの、命を落とした。



たまたま寝室にいた莉里は無事だったそうで…



岡野夫妻の友人やここのスタッフたちにより施設に預けられたそうだ。






…そして、今に至る。







黒田「あの時、俺たちの誰かが、違う施設に入れてあげてたら…」



藤川「…もう、莉里を施設に入れるのは嫌だ…」



白石「高校生とはいえ、まだ一人にしちゃダメだよ…」



緋山「でも、どうするっていうの」








職業柄、難しいかもしれない。


でも…








藍沢「俺たちのうちの誰かが引き取ろう」

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