職場体験、開始!! ページ46
まさか、焦凍もエンデヴァーのところを選んでいたとは、意外や意外で驚いた。
けれど、その事実に安心したのも事実だった。
「エンデヴァーだ」
「相澤A、コード名“A”です。どうぞよろしく」
互いに知っている仲だろうに、何とも白々しい自己紹介だ。我ながらそう思う。
「…」
「焦凍ォォォオ!!無視するな!!」
いや、知ってるからいいだろう。と突っ込みたいのは山々だが、ここはあえてエンデヴァーの肩を持つことにした。
「焦凍、身内でも挨拶は基本」
「…よろしく」
「何で父親より聞き分けがいいんだ焦凍ォォ!?」
まったくだ。しかしそれもこれまで彼に向けていた態度が原因、自業自得だ。これからゆっくりと親子の仲を改善していってほしい。
親子の仲は決して芳しくなかったものの、その後は予定どおりに体験学習が進む。
「前例通りなら保須に再びヒーロー殺しが現れる。しばし保須に出張し活動する!!市に連絡しろぉ!!」
担当地区外でも活動するなんて、流石はNo.2ヒーロー、活動範囲が広い。
これが「事件解決数史上最多」と謳われる所以だろう。
というわけで、その出張に同行し、今私たちは新幹線の中だ。
「…なぁ」
「?」
本当に突然だが、隣の焦凍に声をかけられた。
窓際で流れる景色を眺めていた私は反対側を見る。
「あれから、爆豪とは…」
続きが途切れた。それから先は言いにくいのかもしれない。
「どうなったんだ?」
どう?どうと聞かれても…。
(どういう答え方をしたらいいんだ?)
共生者になりました。そして今血液を提供してもらってる関係です。
馬鹿正直に答えるとこんな感じだが、まさかそんなふうに答えるわけにはいくまい。
その時、私は以前焦凍から言われた言葉を思い出した。
『仮におまえが爆豪に“個性”だけでちょっかい出されてんなら…やめとけ。今良くても、幸せになれることねぇし、子どもが惨めな思いをする』
ああ、あれからのあれとは、この時のことを指すのか。
「勝己は貴方が危惧しているような人物じゃない。それに私たちはそういう関係でもない」
確かに離れたくないという気持ちはある。けれど、それを恋愛感情だとこじつけるのは少し違う。
そもそも、私は人を愛せない。永遠に。
「…そう、だよな。悪い。
ただなんか…おまえにはお母さんと同じ目に遭ってほしくなかったんだ」
「失礼ね。これでも男運には恵まれている方」
「そうだな」
冗談を軽く言った。
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サラ(プロフ) - 未戳さん» お褒めいただき光栄にございます!楽しみにしていてください。 (2016年11月4日 22時) (
レス) id: cb57f05521 (このIDを非表示/違反報告)
未戳 - 今まで読んだ作品の中で一番面白いです!毎回楽しみにしてますよ!! (2016年11月3日 11時) (レス) id: e8817cfbda (このIDを非表示/違反報告)
サラ(プロフ) - ももタ郎。さん» ありがとうございます！是非とも頑張らせていただきます! (2016年10月11日 22時) (レス) id: cb57f05521 (このIDを非表示/違反報告)
ももタ郎。(プロフ) - 続編おめでとうございます！応援してます！ (2016年10月11日 22時) (レス) id: 222ce333cf (このIDを非表示/違反報告)
サラ(プロフ) - リズさん» ありがたいです!是非とも頑張らせていただきます! (2016年10月10日 20時) (レス) id: cb57f05521 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サラ | 作成日時：2016年10月10日 15時
