轟 焦凍:オリジン ページ4
「だから……僕が勝つ!!
君を超えてっ!!」
一言で表すとその感覚は…地獄だった。
何か重い鎖でがんじがらめに全身を縛り付けられたような、そんな感覚だった。
…親父を───…
「君の!力じゃないか!!」
鎖を引きちぎる。
鎖は取れた。
『これは___!?』
突然、会場全体を紅蓮が包んだ。
初めからあった冷気には劣るも、確かにそれは轟の心境の変化を表しているのだと思う。
「勝ちてえくせに…ちくしょう… 敵に塩送るなんて、どっちがフザけてるって話だ…」
彼の左半身に炎が揺れ動く度に、鎖は徐々に錆びていった。そして、消えた。
「俺だって、ヒーローに…!!」
轟の目尻に浮かぶ“それ”を見て気がついた。
私の場所にも同じものが浮かんでいると。
今日は本当におかしな日だ。
「焦凍ォオオオ!!!」
耳を襲ったその声の主はエンデヴァーだった。
一人席から離れ、息子に見当違いな激励を送っている。
「やっと己を受け入れたか!!そうだ!!良いぞ!! ここからがお前の始まり!!俺の血をもって俺を越えて行き…
俺の野望をお前が果たせ!!」
そんなことどうでもよかった。
解放された、その事実が彼を一番に満たしてるのだろうな。
目の離せない勝負に、私もつい釘付けとなっていた。
両雄一歩も退かず。二人は激突した。
WHAKOOOOM!!!!!
…緑谷、
会場が爆風に包まれる直前に聞こえた気がした。
…ありがとな。
轟の、本当の感謝の思いが。
『何今の…おまえのクラス何なの…』
トサカの半端呆れたような調子の実況が聞こえた。
今まで冷やされていた空気に突然熱が加えられ膨張したのだろう。
それにしたってこの爆風だ。
轟の左半身の最高温度は知らないが、それが解放された今、彼はNo.1ヒーローも夢ではないだそう。
『ったく何も見えねーオイこれ勝負はどうなって…』
愚痴にも近い実況や主審よりも先に結果を見てやろうと私は普段から良い目を更に細め、フィールドを確認した。
スタジアムの壁に思い切り身体を打ち付けたらしい、そこに寄りかかる出久に、
氷の瓦礫の中立つ轟。
「緑谷くん…場外。
轟くん──…三回戦進出!!」
勝負は決まった。
私は浮かび上がっていた涙の小粒を拭った。
解放された、のだからそれは今持っているべきでないものだ。
異変への察知者 Side.I.Midoriya→←緑谷背負う
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サラ(プロフ) - 未戳さん» お褒めいただき光栄にございます!楽しみにしていてください。 (2016年11月4日 22時) (
レス) id: cb57f05521 (このIDを非表示/違反報告)
未戳 - 今まで読んだ作品の中で一番面白いです!毎回楽しみにしてますよ!! (2016年11月3日 11時) (レス) id: e8817cfbda (このIDを非表示/違反報告)
サラ(プロフ) - ももタ郎。さん» ありがとうございます！是非とも頑張らせていただきます! (2016年10月11日 22時) (レス) id: cb57f05521 (このIDを非表示/違反報告)
ももタ郎。(プロフ) - 続編おめでとうございます！応援してます！ (2016年10月11日 22時) (レス) id: 222ce333cf (このIDを非表示/違反報告)
サラ(プロフ) - リズさん» ありがたいです!是非とも頑張らせていただきます! (2016年10月10日 20時) (レス) id: cb57f05521 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サラ | 作成日時：2016年10月10日 15時
