お母さん Side.Protagonisｔ ページ25
『もしもの話…仮におまえが爆豪に“個性”だけでちょっかい出されてんなら…
やめとけ。今良くても、幸せになれることねぇし、子どもが惨めな思いをする』
以前の、轟の忠告が頭を過ぎった。
確かにそのとおりだと思った。
“母”の抱擁の温もりが、全身に伝わる。
もう生涯で一度も味わえないであろうと思ったことが我が身に起きていた。
「氷華…氷華…!!」
「違う、私はAだよ」
彼女が私の母であることは確かだった。
けれど、私はAだ。それだけは変わってほしくない事実だった。
ふと、疑問が残った。
(母は彼女だ。じゃあ、“父親”は?)
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「ごめんなさいね、取り乱してしまって」
やっと泣き止んだ彼女を見て、轟は安心したようだった。
「ずっと…会って話がしたかったの。
炎司さんは…あなたのことを忘れるように言ってたけれど…忘れられなくて…!」
「…私も、忘れようとした」
けど、ここにいるのはそれができなかった証拠だ。
「ずっと思ってたの…娘が…生まれてこなかったのは…私が子供を1人も守れない母親だって…罰が当たったんだって…神様に思われたからだって…ごめんなさい…焦凍も…本当に」
「いいんだ、お母さんは悪くない」
今度は轟が彼女を抱きしめた。
…ここにはいるべきじゃない。“親子2人”にしてやりたい。
私はそう思って、そっと扉の方に歩んだ。
「…あ、待って!」
去り際に、母に呼び止められた。
振り向けば、今にも泣きそうな顔で笑う彼女がいた。
「また、来て!
待ってるから…」
「…えぇ」
私も精一杯笑った。
今日は、今までで一番いい笑顔を見せた気がした。
微かな成長 →←轟焦凍の心情 Side.S.Todoroki
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サラ(プロフ) - 未戳さん» お褒めいただき光栄にございます!楽しみにしていてください。 (2016年11月4日 22時) (
レス) id: cb57f05521 (このIDを非表示/違反報告)
未戳 - 今まで読んだ作品の中で一番面白いです!毎回楽しみにしてますよ!! (2016年11月3日 11時) (レス) id: e8817cfbda (このIDを非表示/違反報告)
サラ(プロフ) - ももタ郎。さん» ありがとうございます！是非とも頑張らせていただきます! (2016年10月11日 22時) (レス) id: cb57f05521 (このIDを非表示/違反報告)
ももタ郎。(プロフ) - 続編おめでとうございます！応援してます！ (2016年10月11日 22時) (レス) id: 222ce333cf (このIDを非表示/違反報告)
サラ(プロフ) - リズさん» ありがたいです!是非とも頑張らせていただきます! (2016年10月10日 20時) (レス) id: cb57f05521 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サラ | 作成日時：2016年10月10日 15時
