一つ屋根の下はあっさりとしている ページ22
チュン、チュン…。
「…ぅ」
鳥の囀りで目を覚ました。
身の回りを確認した後、昨夜のことを思い返す…。
『…わかった。君の援助を受けよう』
君を対等に見ているということもわかってほしくて、私は手を伸ばした。
パン、とその手のひらが弾かれる。
『そこはお願いします、だろうがよ』
そう言っても、最後は手を握ってくれた。私はそこからさらに握り返す。
幼馴染が、共生者になった瞬間だった。
これが“悪魔との取引”だったのかは…これから決めればいい話だ。
それからのことはよく覚えていない。あまりにもあっさりとした記憶だった。
勝己と一緒に夕食を食べた。チャーハンを食べている最中、勝己に「普通のメシ食っても栄養とれんのか?」と聞かれた。少しは、と答えておいた。
入浴した。一番風呂を譲ってもらった。着替えは…と脱衣所で悩んでたら、勝己が少し扉を開けて、彼の母親の寝間着を手渡してくれた。
勝己が入浴している間は、彼の部屋で先ほどの書籍群を読み漁った。驚いたのは、『ダレン・シャン』の漫画まで置いてあったことだ。勝己はかなりこのシリーズをお気に召したと見た。
私も昔読んだ記憶を思い出しながら、紙面をめくった。
…そこからの記憶はない。
バンパイア・マウンテンの外に出たダレンはどうなったんだ?
ではなくて。
勝己が、床に枕一つ敷いて寝ていた。寝台で寝ていた私とは相反するかのような形で。
(気遣い、というやつだな)
体育祭の疲れが出たせいで漫画を読んでいる最中に寝てしまったらしい私を1人ベッドに寝かせ、自分は1人硬い床の上で。
同衾はあってはならないと判断したらしい。
私は別に身体共に精神を害するようなことさえなければ何があっても構わなかったのだが。
私は今度は勝己をベッドに運んでやった。
時計を見ると時間は既に七時を回っていた。
さて、この後どうするか…と頭を探っている途中いくつかのことを思い出した。
(制服の確か…左のポケットに)
中を探り、目的のものを手にとった。
(今日やること、決まりだ)
どこかのカートゥーンの主人公の台詞が頭を過ぎった。
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サラ(プロフ) - 未戳さん» お褒めいただき光栄にございます!楽しみにしていてください。 (2016年11月4日 22時) (
レス) id: cb57f05521 (このIDを非表示/違反報告)
未戳 - 今まで読んだ作品の中で一番面白いです!毎回楽しみにしてますよ!! (2016年11月3日 11時) (レス) id: e8817cfbda (このIDを非表示/違反報告)
サラ(プロフ) - ももタ郎。さん» ありがとうございます！是非とも頑張らせていただきます! (2016年10月11日 22時) (レス) id: cb57f05521 (このIDを非表示/違反報告)
ももタ郎。(プロフ) - 続編おめでとうございます！応援してます！ (2016年10月11日 22時) (レス) id: 222ce333cf (このIDを非表示/違反報告)
サラ(プロフ) - リズさん» ありがたいです!是非とも頑張らせていただきます! (2016年10月10日 20時) (レス) id: cb57f05521 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サラ | 作成日時：2016年10月10日 15時
