二人の最後で最初 ページ40
ドアが開かれたら、わかってはいたがそこにいるのは勝己だった。
「女共から逃げて来た」
「…そう」
聞いてもいないのに教えてくれてありがとう、と内心告げた。口に出したら碌な事が起こらないだろうから。
二人並んで、柵に寄りかかる。
「お互い、大変ね」
女の争いで弾け飛んだと思わしき、ボタンの一つ欠けた学ランを見つめた。
「…モブが、うるせえったらありゃしねぇ」
勝己はひどく鬱陶しそうに呟いた。
そのモブという言い方改めた方がいいと思うのだが…まぁ別にいいか。
勝己のその心には偽りないらしい。彼の第二ボタンは健在だ。
自分に見合う女以外は渡したくないのだろう。大体粗暴な彼がそんなにモテていたという事実に驚きだ。
まぁ、私だってそうだけれど。
「貴方の物をくれるまで帰してくれなさそうだけど、策はあるの」
私はなんとなく聞いてみると、彼は頷いた。
驚いた。
だってそうだ、彼の“個性”じゃ目立って仕方がない。必然的に不使用で帰るしかない筈だが…。
突然、彼はボタンをむしり取ったかと思えば、私に投げて寄越したのだ。危うく落としそうになった。
「お前持っとけ。なければ、アバズレ共にも説明できんだろ」
「??貴方はいいの…?」
勝己は「今日着れたらそれでいいもん、壊れたっていいだろが」とズボンのポケットに手を突っ込みながら言った。
「…でも、ボタンは誰の手に渡ろうがいい筈…」
「どっかの知らねえモブ共に渡すよりかはずっとマシなんだよ」
もうここには用がないと判断したらしく、彼はあばよ、と此処から離れようとしていた。
私は慌てて叫ぶ。「また…!」
勝己が振り返った。
相変わらず、堅気に見えない顔だ。
「雄英で…!」
彼はフンと鼻を鳴らしてから、「当たり前だ、バァカ」。そう残して、彼の姿は見えなくなった。
(それにしても、ボタンを与えられたところでそうそう使い道はないんだがな…)
人間は何でこれを欲しがったり、贈ったりするんだ?相変わらず理解に苦しむ生物だ。
私はそう思いながらも、ボタン二つをポケットに入れた。どちらがどちらのものか一応見分けは付く。糸が残ってる方が勝己ので、ご丁寧に取られてる方が出久の物だ。
とりあえず、帰るか、と私は気化しようとして思い出す。
鞄と着衣をどうするか。
あくまで変化するのは自分の身体のみ…つまりそれ以外は不可。
(畜生、やはり門から堂々と帰るしかないのか)
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ハック - ぶつかりあえのところヒーロになっとる (2021年9月25日 22時) (
レス) @page29 id: 0c5e7e9ecb (このIDを非表示/違反報告)
サラ(プロフ) - 時雨さん» はい、私もおもくっそ楽しみです。 (2017年1月6日 7時) (レス) id: cb57f05521 (このIDを非表示/違反報告)
サラ(プロフ) - 時雨さん» わぁお!!本当ですね、ご指摘ありがとうございます。 (2017年1月6日 7時) (レス) id: cb57f05521 (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - 瞳孔じゃなくて同校じゃないですか？「恐るべし」の所 (2017年1月5日 23時) (レス) id: c6b79d49da (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - 夢主ちゃん可愛いぃぃぃぃ！家庭教師ヒットマンREBORNご存じなんですね！私エルドライブアニメ化楽しみすぎて寝れないです (2017年1月5日 22時) (レス) id: c6b79d49da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サラ | 作成日時：2016年8月6日 17時
