生れながらにしての非凡 Side.Protagonist ページ2
私は生れながらにして数奇な運命を辿っていると言える。
まず、母体から出た羊水に混じって誕生した。
後々成長していく過程で、“個性”という単語を知ったが、あんな言葉が存在していたにせよ、私の誕生した光景は異様だった。
何故、前述したような事態を察したのかと聞かれれば、それは“見た”からだとしか言いようがない。
私が生まれて初めて見たのは…というより、当時は文字も単語もわからなかったので、情景を思い出して語ることになる。
まず、お馴染みの出産の情景。しかし、祝福されるべきその光景は世間でありふれたそれと少しばかり違っていた。
一つ、母体の表情が昏い。私は他人より感情表現に乏しいが、その私が感じる程に、母体が我が子の生誕を喜んでいなかった。きっと難産だったに違いない。
二つ目、出産に立ち会った医者、その他(今思えばあの中に私の父親もいたのだろう)が目を丸くして生まれてきた赤ん坊…否、妊婦の羊水に釘付けだったこと。
当たり前だ、だって赤い羊水が徐々に透明になっていくのだから。
その赤色こそがもう1人の子ども…つまり生まれてきたのは私を含めた計二名、つまりは双子だったのだが、今となってはもう誰もそれを知る者はいないだろう。
私は生まれつき、そこそこの知能があった…目前に命の危険性があれば、それを回避せんとする程度には。
その危機回避能力が生まれた直後に早速、盛んに機能した。
私は母体から
今となってはどうしてあの場に命の危険を感じたのかはわからない。ただ、赤子ながらにしてその場を直感的に危険だと判断したのだ。ただそれだけだ。
私は液体。私は赤い。他に変幻自在だった。
そして、私は何処か・・・人知れずに、自分の危険にならない場所へと旅立っている…。
それだけは鮮明に覚えていた。
….夜明けは、近かった。
誕生から数日にして、二度目の命の危機に瀕する事も知らずに。
脱出二時間足らずの道中で、生憎の雪に見舞われたのだ。眼下には雪だるまを作ったり雪合戦をしたりしてはしゃぐ子供達の姿があったが、私は到底そんな楽天的思考にはなれなかった。
少なくとも気体の私にとって、この天下りは【天国から地獄へ】降る程度には過酷なものとなった。思えば私の人生は、普通の人間と比べたら遥かに数奇にして過酷だった。
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ハック - ぶつかりあえのところヒーロになっとる (2021年9月25日 22時) (
レス) @page29 id: 0c5e7e9ecb (このIDを非表示/違反報告)
サラ(プロフ) - 時雨さん» はい、私もおもくっそ楽しみです。 (2017年1月6日 7時) (レス) id: cb57f05521 (このIDを非表示/違反報告)
サラ(プロフ) - 時雨さん» わぁお!!本当ですね、ご指摘ありがとうございます。 (2017年1月6日 7時) (レス) id: cb57f05521 (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - 瞳孔じゃなくて同校じゃないですか？「恐るべし」の所 (2017年1月5日 23時) (レス) id: c6b79d49da (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - 夢主ちゃん可愛いぃぃぃぃ！家庭教師ヒットマンREBORNご存じなんですね！私エルドライブアニメ化楽しみすぎて寝れないです (2017年1月5日 22時) (レス) id: c6b79d49da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サラ | 作成日時：2016年8月6日 17時
