サク ページ7
次の日から、私と彼女の訓練は始まった。とは言っても、簡単な武術程度からだが。
首領からは「幹部に相応しいマフィアにするように」と仰せつかっている。正直、こんな少女に人を殺す術を教えろというのだから、首領はかなり酷な人だとは思う。
けれども私だって両手の指では足らない程に人を殺めて来た人殺しだ、彼を兎や角言えるような人間ではない。
「異能力に頼りすぎるな!もっと五感を働かせろ!」
「踏み込みが甘い!腰を落とせ!」
そう指導していたのも最初だけで、今やAはすっかりと私の動きに慣れているようだった。
彼女と向き合っている時に、私は既に違和感を感じていた。
彼女は明らかに、戦い慣れているようだった。
別に武道を心得ている、なんてそんな生易しいものではない。
明らかに、人を殺め慣れている、と言った感じだった。
人体の何処を如何すれば人間が苦しむか、死に至らしめられるか知っている動きだった。
以前殺し屋をやっていた私にだからわかった。
彼女は殺しの世界で生きていたんだと。
「サクは凄い。一本も取れない」
一休みしている時にAはそう言っていた。珍しく口角が上がっていて、大分機嫌が良いらしかった。
「そうか?」
「うん。この前の人、三日で辞めちゃった」
平然とそう言う彼女に対して私は些か鳥肌が立った。その人物に何があったのかはわからないが、マフィアで任務を中断するというのはよっぽどのことがあった時だからだ。
彼女を持て余したか、それとも不祥事を起こしたか、将又それ以外の理由か。
「…サク?」
私はそんなことより、彼女の奇妙な呼称が気になった。
「苗字で呼ぶのは敬意を払ってないみたいだから嫌。でも、作之助は長いから愛称にした。駄目だった?」
「いや、構わないが」
彼女はどうも自分と必要以上に親しくしたいようだった。
最初は私も彼女と敬語で話していたが、彼女の方から「敬語で話していると外で目立つから止めて」と言われた。確かに、と納得していたら僅かに眉を寄せられ「鈍い人」と評された。解せない。
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サラ(プロフ) - 真昼ノ夢さん» 嬉しいコメントありがとうございます!今後も楽しみにしてください (2017年5月11日 1時) (
レス) id: cb57f05521 (このIDを非表示/違反報告)
真昼ノ夢(プロフ) - すっごく面白かったです！一気に読んじゃいました(*^^*)更新を楽しみにしています (2017年5月10日 22時) (レス) id: 91c8c67e41 (このIDを非表示/違反報告)
サラ(プロフ) - kanameさん» うれしいコメント誠にありがとうございます…変換ミスやっちまったなあ… (2017年5月7日 20時) (レス) id: cb57f05521 (このIDを非表示/違反報告)
kaname(プロフ) - スッゴク好みです( ☆∀☆)応援しています(^o^)vあと、25ページの君が黄身になってますよー (2017年5月7日 19時) (レス) id: e97e2f1677 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サラ | 作成日時：2017年5月6日 9時
