妬み宿 ページ35
「相変わらず美人だよねー何か香水付けてる?無茶苦茶いい香りする!」
「…何も」
ええ、マジ!?と大袈裟に騒ぐ男共を一発ぶん殴ってやろうかと何度思ったことか。
ボックス席の色合いは見事に分かれておりました。
私は黒服の男店員たちに取り囲まれ、中也は色彩鮮やかなホステス嬢たちに。
いえ、当然の結果です。
しかし、明らかに人望には差が出ています。
『浮雲』を持つ私にはわかるのです。
中也がホステス嬢や店員たちにどういった目で見られているのか、逆に私がホステス嬢や店員たちにどういった目で見られているのかを。
｛中也さん、本当いい人ぉ、私アッタクしちゃおうかな｝
｛マジでしっかり者だよな、中也さん。年下だけど俺見習わなきゃな｝
ま、こんなところです。あ、女性陣からは少し下心も出てますが、彼女らが向けているのは純粋な恋心です。肉欲よりかはずっといい。
対して私ときたら、
｛あいっかわらず太々しい顔した根暗女。自分が美人なの鼻にかけてるみたい。お高く止まって。あんなのマフィアにするなんてどーかしてるわ｝
…リンタロウを馬鹿にされたようで悔しい。が、私は何とか怒りを鎮めた。
｛Aちゃんて本当エロいよなあ。化粧もしてねえのに、儚げ系っての?美人だし、大人しそうだから少し強く押せば一回くらいヤらせてくれっかな｝
誰が貴方など。冗談じゃない。
私は舌打ちも呑み込んだ。
確かに今日私が着用しているのは普段と変わらぬブラウスに黒のスカート。歓楽街に、キャバクラに行くには些か合っていなかったかもしれないが、一回くらいヤらせてくれそうだと?
生憎お前らが相手にしてきたような股の緩い女とは違う。
私を甘く見てると、夜道で背中を注意しなければならない日々が待ってるぞ…と言いかけたが、中也の面子を潰すわけにもいかず、私は只々スカートを皺が出来るほど掴むことで怒りを霧散しようと努力しました。
私を見る女性の目は冷たいものでした。どうやら私は女性に嫌われ易い類の女のようでした。
母からはノイローゼを起こされるほど嫌われていましたし、廓では姉さん遊女以外の殆どの者からは嫌われておりました。
組織でも紅葉の姐さん以外の女性構成員とは全く話した事がありません。
嫌われる理由の大半が嫉妬によるものでした。
内心で暴言を吐かれる度に私は、『嫉妬するという事は私を認めているという事と同義だ』だと思う事にしました。
そうすれば、幾分か気が楽だったのです。
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サラ(プロフ) - 真昼ノ夢さん» 嬉しいコメントありがとうございます!今後も楽しみにしてください (2017年5月11日 1時) (
レス) id: cb57f05521 (このIDを非表示/違反報告)
真昼ノ夢(プロフ) - すっごく面白かったです！一気に読んじゃいました(*^^*)更新を楽しみにしています (2017年5月10日 22時) (レス) id: 91c8c67e41 (このIDを非表示/違反報告)
サラ(プロフ) - kanameさん» うれしいコメント誠にありがとうございます…変換ミスやっちまったなあ… (2017年5月7日 20時) (レス) id: cb57f05521 (このIDを非表示/違反報告)
kaname(プロフ) - スッゴク好みです( ☆∀☆)応援しています(^o^)vあと、25ページの君が黄身になってますよー (2017年5月7日 19時) (レス) id: e97e2f1677 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サラ | 作成日時：2017年5月6日 9時
