夜の帳を降ろす ページ34
数時間後、私は何故か横濱中心地にある歓楽街に立っていました。何故かって?此れまた話せば長くなります。
上を見れば煌びやかなネオンと、無数の看板。
下を見れば毛皮に泥のこびり付いた愛らしい猫や、煙草の吸殻。
疎らな人並みは明らかに如何わしい。
嗚呼嫌だ嫌だ。こんな処いたくもない。
私は昔いた廓のこと、そこから暗殺やら例の女の復讐劇の件を思い出して気が滅入りました。
今すぐここから立ち去りたい気分でしたが、それは私より三歩前を歩く中也が許さないでしょう。
私が彼に呼ばれた理由は、かなり簡単なものでした。曰く、マフィアの管轄のキャバクラが今年1周年の開店記念パーティーを開くからそれに呼ばれたとの事でした。
私も以前は中也や治と共に其処の上納金を受け持っていたので、店には行った事もありました。
正直、いい思い出などなくて行きたくもありませんでしたが、何を言われたのか中也が頭を下げてまで同伴して欲しいと頼んで来たので本当に仕方なく…此処に赴いたのです。
中也はとても真面目な子で、こういった仕事を回されても熱心に取り組んでおりました。
ホステス嬢や店員を労い、サービスを向上させ、悪質な客を追い払うなどして、店を発展させて行く姿は、感心に足るものでした。
店もそこの界隈一の物となったそうですし、上納金もうなぎ上り、面倒臭がりな治や苦手意識を持って中々手を付けなかった私の二人など、名ばかりで、すっかり中也に任せっきりでした。
(治は興味がないらしく、今日は欠席のようでした)
私が気乗りしない理由は二つ。それは、その事について少なからず罪悪感を持っていたこと。
そして、店員たちへの私の対応でした。
勿論私は中也ほどよくされると期待はしておりませんでした。
彼はマメに店に出入りしていたらしいので、ホステス嬢からの人気はそれはそれは凄まじかったのです。
「お疲れ様です、中原さん!」
「中也さん、会いたかったぁ!」
…ええ、それはとても。
拾って、成長を見守っていた少年があんな笑顔を浮かべて、大勢の人間に囲まれているのはとても誇らしいと思います。
おまけに私の以前上げた帽子なんかより、よっぽどセンスがあってよく似合う帽子を被って。
問題はそこではありません。
「ひっさしぶりだね〜Aちゃん。俺今日も中原さんだけなのかと思ったぁ〜」
「…ええ、少し顔を見せに」
中也はホステス嬢に、私は黒服の店員に囲まれておりました。見えた結果ですが。
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サラ(プロフ) - 真昼ノ夢さん» 嬉しいコメントありがとうございます!今後も楽しみにしてください (2017年5月11日 1時) (
レス) id: cb57f05521 (このIDを非表示/違反報告)
真昼ノ夢(プロフ) - すっごく面白かったです！一気に読んじゃいました(*^^*)更新を楽しみにしています (2017年5月10日 22時) (レス) id: 91c8c67e41 (このIDを非表示/違反報告)
サラ(プロフ) - kanameさん» うれしいコメント誠にありがとうございます…変換ミスやっちまったなあ… (2017年5月7日 20時) (レス) id: cb57f05521 (このIDを非表示/違反報告)
kaname(プロフ) - スッゴク好みです( ☆∀☆)応援しています(^o^)vあと、25ページの君が黄身になってますよー (2017年5月7日 19時) (レス) id: e97e2f1677 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サラ | 作成日時：2017年5月6日 9時
