呼び出されたその日には ページ26
作之助に謝りました。
自分の命を無下にしたこと。
私の死を恐れるであろう生者達の心を踏みにじるような真似をした事。
私のあまりに軽率な行為を、作之助は案外あっさりと許してくれました。
其れ以降暫く、訓練がスパルタ教育になりましたが。
やっと組織の何でも屋的存在が板に付いて来た時、リンタロウに呼び出されました。嫌な予感はしていました。彼に呼ばれたのは、私の左遷命令を下して以来だったからです。
「首領。私です。這入ります」
...エリスちゃん!お願いだから来てよう!
...嫌よ、絶対に嫌!
私は、例の夫婦(?)喧嘩を久しぶりに見ました。
正直、這入るまで止まない喧嘩だろうから、私は遠慮なく扉を開きます。
「首領」
私はなるべく低い声を、部屋に木霊させました。此れまたバツの悪そうな顔で、リンタロウがこちらに視線を向けます。
「あー...A...これは」
「お久しぶりです首領。あんまり奥さんの尻ばっかり追いかけていたらその内捨てられますよ」
敬語で他人行儀に言ってやれば、リンタロウは一瞬にして底冷えしました。異能で判りました。
こんなんで肝を冷やしてよいものだろうか、ポートマフィア首領。
「それとエリス。私も同感。私もマフィアの首領がこんな気持ち悪い幼女趣味を持っているなんて絶対にいや」
「あーあ、リンタロウがA怒らせた」
しーらない、と釣れないエリスの発言が、追い打ちを掛けました。
リンタロウは大慌てで弁明を続けます。
「A!私は決して君への愛情を捨てたわけじゃ...!!」
「あら、私が13の誕生日を迎えた其の時から首領の中から私は消えたのものとばかり思っていました。
私、首領からエリスのお余りの愛情を貰うくらいならいっそそこから飛び降りた方がマシです」
そう言うと、目の前の中年男は情けなくもべそを掻いて、「頼むから死なないでおくれよお、リンタロウと呼んでおくれよお」と泣き出してしまいました。
此れこそ、組織が見たくない首領の姿でしょう。
私とエリスの目が、道端に落ちていた汚物を見るような目になっていたのは決して罪ではないと思うのです。
「莫迦な人、こんなの冗談に決まってる」
「…え?」
キョトンとした表情のリンタロウに一瞬ギョッとしましたが、それは心の奥にしまい込み、「私がリンタロウを見限るわけない」と言っておきました。
その言葉に彼はホッと胸を撫で下ろします。
我輩どん引き。
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サラ(プロフ) - 真昼ノ夢さん» 嬉しいコメントありがとうございます!今後も楽しみにしてください (2017年5月11日 1時) (
レス) id: cb57f05521 (このIDを非表示/違反報告)
真昼ノ夢(プロフ) - すっごく面白かったです！一気に読んじゃいました(*^^*)更新を楽しみにしています (2017年5月10日 22時) (レス) id: 91c8c67e41 (このIDを非表示/違反報告)
サラ(プロフ) - kanameさん» うれしいコメント誠にありがとうございます…変換ミスやっちまったなあ… (2017年5月7日 20時) (レス) id: cb57f05521 (このIDを非表示/違反報告)
kaname(プロフ) - スッゴク好みです( ☆∀☆)応援しています(^o^)vあと、25ページの君が黄身になってますよー (2017年5月7日 19時) (レス) id: e97e2f1677 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サラ | 作成日時：2017年5月6日 9時
