6話 幽体離脱 ページ8
「幽体離脱時間差！」
「時間差ちゃうやろそれ」
「またなんかやってる...」
宮くんが言っていた面白いこと、というのはこれのことらしい。
私には面白さは分からなかったけれど、宮くんが嬉しそうなことだけは十分に伝わってくる。
「いいなあ」
気づけばそうこぼしていた。
それが聞こえたのだろうか、宮くんは私の方へと駆け寄ってきて
「ほんま！？サム、やっぱこれええんやって！これ試合でも使お、な！」
嬉しそうにサム、と呼ばれた彼に親指を立てた。
私が思っていたいたいいなあの意味とは違うものとして捉えられてしまったけれど、それはそれで宮くんが嬉しそうだからもういいかなと思って、それ以上口は挟まなかった。
2回目の休憩が終わる頃、そろそろ帰ろうと思い荷物をまとめて立ち上がった。
「今日もお邪魔しました。」
北さんや他の皆さんにそう挨拶をしてそのまま体育館から出ようと足を進める。
「それじゃ、また明日な！」
体育館を後にする私の後ろ姿に向かって、宮くんは大きく手を振りながらそう言った。
「(ばいばい、じゃなくてまた"明日"かあ...)」
帰り道、気づけばクラスメイトが返してくれる挨拶と宮くんが返してくれる挨拶とを比べてしまっていた。
どちらが嬉しいとかそういう訳ではないけれど、また明日があるというのは良いことなのかもしれないと、そう思った。
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淀(プロフ) - めーぷるさん» コメントありがとうございます！とても励みになります。現在私生活の方が忙しく更新できておりませんが、待っていただけますと嬉しです！ (2020年2月9日 13時) (
レス) id: a73053601c (このIDを非表示/違反報告)
めーぷる - え、めちゃめちゃ面白い・・・。更新頑張ってください！楽しみにしてます！ (2020年1月27日 16時) (レス) id: f01d8b6a59 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：淀 | 作成日時：2020年1月17日 2時
