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26話 牽制 ページ31

「大空さんってあんた?」

そう呼ばれて振り返ってみると、目の前に立っていたのは見慣れない女の子だった。

「そうですけど...貴方は?」

「3組の三鷹志帆。ちょっと話あるんだけど、いい?」

屋上。さっさとして。早々と伝えられたそれに、背中に嫌なものが伝った。


「あんたさ、侑のなに?」

人気のない屋上に着いて開口一番にその言葉は降ってきた。

「何かと言われましても...クラスメイト、マネージャー...?なんだろう...」

クラスメイトであるのもマネージャーであるのも確かだけれど、宮くんの"何"かと問われるとその答えは中々難しい。

私がはっきりとした返答をしないことに苛立ちを覚えたのか

「じゃあさ、好きなの?」

と、少しきつい口調で問いかけられた。

「好き......?」

「だって大空さんさ、最近いつも侑と居るでしょ。その気があるからベタベタしてるんじゃないのかって聞いてんの。」

「いや、同じクラスだったり、マネージャーだったりするので一緒に居る時間が多くなるだけだと思うんですけど...」

「ふーん。じゃあいいや。」

その返答が正解だったかは分からないけれど、それを聞いた三鷹さんの声色からは苛立ちが薄れていたように思う。

「言っとくけど、侑は皆に優しいだけで、あんたにだけ優しい訳じゃないから。」

最後にそれだけ言うと彼女は屋上を出ていった。


吐き出すタイミングを見失っていた息がどっと口から漏れた。

多分今のは牽制。

宮くんは沢山の人の憧れなのだと。だから1人抜け駆けしようとするなと。

私が最初宮くんに抱いていた「関わってはいけない」という印象の正体はこれだったのか。

「大丈夫。そんなつもりでマネージャー始めた訳じゃないから...」

小さな声で自分にそう言い聞かせた。

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(プロフ) - めーぷるさん» コメントありがとうございます!とても励みになります。現在私生活の方が忙しく更新できておりませんが、待っていただけますと嬉しです! (2020年2月9日 13時) (レス) id: a73053601c (このIDを非表示/違反報告)
めーぷる - え、めちゃめちゃ面白い・・・。更新頑張ってください!楽しみにしてます! (2020年1月27日 16時) (レス) id: f01d8b6a59 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2020年1月17日 2時

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