25話 足取り ページ30
時間の流れというのは本当にあっという間で、私がマネージャーを始めてから1ヶ月の時間が過ぎた。
まだまばらに長袖シャツの人も居たはずなのに、今ではみんな半袖の制服に身を包んでいる。
最初の頃はスポドリの好みとか、部員の名前とか、用具の場所とか、そういった数ページのメモしかなかったノートも、今ではバレーのルールに始まり、試合記録とか、部員のプレースタイルとか、とにかく色々な書き込みでで一杯になっていた。
そんなことを考えながら歩いていると、ふと北さんに呼び止められた。
「大空さん、ちょうどええとこにおったな」
「北さん！どうかされましたか？」
「これ、合宿の案内なんやけど2年の分配っとってもらってええか？」
「もちろんです！お預かりしますね」
「ほんなら頼むな。」
「(合宿、東京であるんだ。参加校は...当たり前だろうけど知らないところばっかりだな。)」
教室までの道すがら、手渡されたプリントを眺めていた。
音駒、梟谷、白鳥沢...
どんなチームなのだろう。
やっぱり稲荷崎やこの間の井闥山のように強いのだろうか？
まだ見ぬ新たなチームに期待と好奇心を抱いた私の足取りは軽やかなものだった。
だってまた、彼らの試合が見られるという事でもあるのだから。
しかしその足取りは、一瞬にして鉛のように重くなった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 73人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
淀(プロフ) - めーぷるさん» コメントありがとうございます！とても励みになります。現在私生活の方が忙しく更新できておりませんが、待っていただけますと嬉しです！ (2020年2月9日 13時) (
レス) id: a73053601c (このIDを非表示/違反報告)
めーぷる - え、めちゃめちゃ面白い・・・。更新頑張ってください！楽しみにしてます！ (2020年1月27日 16時) (レス) id: f01d8b6a59 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：淀 | 作成日時：2020年1月17日 2時
