24話 名前 ページ29
「で、もう一個あんねんけどな」
「なに？」
「名前で呼んでもええ？」
「うん。それは別に宮くんの自由にして貰えたら。」
呼ばれ方に特に拘りはない。
寧ろクラスの子には名前で呼ばれることの方が多いし、そうしてもらって全然構わない。
「Aちゃん」
「はい」
「Aちゃん」
「えっと...」
「なんかええな、これ。」
そう言って頬をかきながら笑う宮くんの笑顔は、柔らかくて、胸が熱くなる。
名前を呼ばれるのなんて別に特別な事でもないのに、なんでこんな風になるのだろうか。
ふと浮かんだ疑問を頭の隅に押しやって、そのままドラッグストアに向かった。
「いつかAちゃんも俺の事名前で呼んでな。」
「...善処します」
だって宮くんは宮くんだから。
呼び慣れてるから名字で呼んでいるだけ。
だってそっちの方がしっくりくるのだから。
下の名前で呼ぶのが恥ずかしいだとか、そんなことはある筈がない。
結局全て回り終わったのはお昼を過ぎた頃で、何処かに食べに行こうかという話になった。
近くのファストフード店に立ち寄って食事を済ませた。
宮くんは奢ると言ってくれたけれど、それに関しては丁寧にお断りをして自分の分を支払った。
食べ慣れているハンバーガーが、いつもよりちょっとだけ美味しかった。
「じゃあ、また明日。部活で！」
「うん。それじゃあまた明日」
宮くんとの距離が近づいた、そんな一日だった。
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淀(プロフ) - めーぷるさん» コメントありがとうございます！とても励みになります。現在私生活の方が忙しく更新できておりませんが、待っていただけますと嬉しです！ (2020年2月9日 13時) (
レス) id: a73053601c (このIDを非表示/違反報告)
めーぷる - え、めちゃめちゃ面白い・・・。更新頑張ってください！楽しみにしてます！ (2020年1月27日 16時) (レス) id: f01d8b6a59 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：淀 | 作成日時：2020年1月17日 2時
