18話 はじまりの日 ページ22
今日の私はずっと、放課後になるのを待ち遠しいく思っている。
ホームルームが終わると同時に手早く教科書をカバンに詰めてから、リュックにしまってあるジャージを確認した。
今日は体育がないから忘れないようにと、昨日のうちからしっかりと準備をしていたのだ。
それがきちんとあることを確かめてから席を立ち上がって彼の席へと向かった。
「宮くん、部活!」
声がかかるまで席を動かなかったのはこの間までの私の話。
だって今日からの私はただの見学者ではなくマネージャーなのだから。
ジャージに着替えて体育館に入ると、既に1年生と思われる面々が準備を始めていた。
「あの、何か手伝えることありますか?」
急に声をかけたから1年生は少しびっくりしたような顔をしてから
「あ、あの見学に来てた...」
と言ってくれたので、どうやら私のことは覚えてくれていたみたいだ。
「見学に来ていた2年の大空Aです。今日からマネージャーとしてよろしくお願いします!」
「それじゃあボールかご出してもらってええですか?その後スポドリを」
「ボールと、あとスコアボードも倉庫入ってすぐ右な。スポドリはボトルとか粉とか置く場所決まっとるから一緒に行こか。」
いつの間にか着替え終わって来ていたらしい宮くんは、私の手を引いて倉庫へと足を進めた。
この間まで手を引いたり引かれたり、なんなら固い握手まで結んだはずなのに、今はなんだか恥ずかしい。
ちらっと見た宮くんの顔はいつも通りだった。
73人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
淀(プロフ) - めーぷるさん» コメントありがとうございます!とても励みになります。現在私生活の方が忙しく更新できておりませんが、待っていただけますと嬉しです! (2020年2月9日 13時) (レス) id: a73053601c (このIDを非表示/違反報告)
めーぷる - え、めちゃめちゃ面白い・・・。更新頑張ってください!楽しみにしてます! (2020年1月27日 16時) (レス) id: f01d8b6a59 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:淀 | 作成日時:2020年1月17日 2時