9話 寝坊助 ページ11
「大空さんの感情はな、ちょっと寝坊助なんやと思うんよ。」
「ねぼすけ...？」
聞き馴染みのない単語に思わず面食らう。
「これ！って思えるおもろいことに出会えてないから、起きるのが億劫になっとんねん。」
「そのおもろいこと、バレーにはならんかな？」
宮くんがどうしてそこまでバレーを推すのか分からない。
「いやでも、バレーはそんなに...」
だって、面白いって思えなかったからここで宮くんと話しているのに。
「試合！」
「え？」
「練習試合、日曜にあんねん！それ、絶対見に来て！」
そう言った宮くんの眼差しはとても真っ直ぐだった。
その日は予定が、と断ればいい。けれど、予定は何もない。
空き時間に話をしてくれるクラスメイトが居て、ご飯を一緒に食べてくれるクラスメイトも居て、一緒に下校してくれるクラスメイトも居る。
でも、休日に一緒に何かをする友達なんていないのだ。
一人暮らしの静かな部屋で、なんとなく一日を過ごす。
私の休日なんてそれだけだ。
ああ、結局私って空っぽだな。
学校で一緒の時間を過ごしてくれる人達を友達と呼べないのも、なんとなくで部活の見学に行ってしまうのも。
その穴、宮くんは埋めてくれますか？
少しの期待と宮くんの真っ直ぐな眼差しを信じて
「分かりました、行きます。」
私は練習試合を見に行くことを決めたのだった。
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淀(プロフ) - めーぷるさん» コメントありがとうございます！とても励みになります。現在私生活の方が忙しく更新できておりませんが、待っていただけますと嬉しです！ (2020年2月9日 13時) (
レス) id: a73053601c (このIDを非表示/違反報告)
めーぷる - え、めちゃめちゃ面白い・・・。更新頑張ってください！楽しみにしてます！ (2020年1月27日 16時) (レス) id: f01d8b6a59 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：淀 | 作成日時：2020年1月17日 2時
