4話 自信満々 ページ6
それから私は休憩を挟むまでの1時間、コートの隅で見学をさせてもらった。
普段見てる体育でのバレーとは比べ物にならないくらいのことがコートで行われていることが分かる。
確かに宮くんたちは凄かった。
バレーが大好きで、だからこそそれに対して真剣で。
それは彼らの表情を見ていたら分かる。
私もそう思えたらいいなとは思ったけれど、相変わらず私の心は大きく動いてくれなかった。
休憩中、宮くんは私の元へと駆け寄ってきた。
「俺のトスどうやった?最高にイカしてたやろ」
自信満々といったふうに私へそう問いかける。
「うん。凄かった。」
ついつい癖で張り付けの笑顔を携えてそう返してしまったけれど、宮くんはじとりと私を見つめてから
「またおもろないって目してるで」
と言ってきた。
「ごめん...」
思わず謝ってしまったけれど宮くんは大して気にしていなかったみたいで
「じゃあ明日の俺に期待しといて!それが無理なら明後日の俺が大空さんにおもろいって言わせてみせるわ!」
と屈託のない笑顔でそう言った。
その時一瞬だけだったけど、じわりと心に暖かいものが広がっていくような気がした。
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淀(プロフ) - めーぷるさん» コメントありがとうございます!とても励みになります。現在私生活の方が忙しく更新できておりませんが、待っていただけますと嬉しです! (2020年2月9日 13時) (レス) id: a73053601c (このIDを非表示/違反報告)
めーぷる - え、めちゃめちゃ面白い・・・。更新頑張ってください!楽しみにしてます! (2020年1月27日 16時) (レス) id: f01d8b6a59 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:淀 | 作成日時:2020年1月17日 2時