【文スト】短編【合作】

太宰…くん←：わさび ページ7

幼稚園パロディ

お迎えにくる保護者を待つ時間。 二人きりの教室で、先に沈黙を破ったのは太宰くんだった。
｢〇〇せんせいは、すきな人いる？｣

......なんてこと聞くんだこの子は！！ 太宰くん、恐ろしい子。 でも、私は綺麗な切り返しを知っている。これは幼稚園の先生だけが持つ特権だ。

｢私は探偵組の皆が好きだよ。笑顔をみると、幸せな気持ちになるの｣
｢...........っ｣

何かを呟いたようだが、小さすぎて聞こえない。

｢ごめん、太宰くん。もう一回｣
｢それには、わたしのことも入ってるの？わたしはみんなとおなじ？｣

ぐさり、と何かが刺さった。
幼稚園の先生である以上、子供たちのことは全員平等にみなければならない。 しかし、彼は寂しがりや。ここで"みんな同じ"なんて言ったらどんな顔をするだろうか。

きっと一番になろうとするにちがいない。
だって太宰くんは、自分で言うのもなんだか私にとてもなついてくれているから。 だからといって"一番"とは言えない。嘘を言ったら彼の心に傷がつきそうで、怖くて。

｢...太宰くんは私のことをどう思ってるの？｣ ｢すき。ううん、だいすき｣

じゃあ、

｢太宰くんが私を想ってくれてるのと同じくらい、私は太宰くんのことが好きだよ｣
｢...なら、よかった｣

窓から覗く夕焼けに照されながら。 彼はふにゃりと笑ってみせた。


わんの方で太宰さんが先生役だったので。
勝手な幼児化お許しください…！

短い…！敦君小ネタ→←乱歩さん：わさび

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