［MHA］伝説の個性を持つ少女と敵連合２ (ページ34)

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轟「待て…待てってば！！美都里！！」

あの後、部屋を飛び出す様に
去った私を轟は追いかけて来ていた。

　

　

　

『…ごめん、ついカッとなっちゃった。笑
余計なお世話だったよね詳しい事情も知らないのに

でも私耐えられなかっ…？！』

　

いきなりグイッと後ろから腕を引っ張られ、
轟に後ろから抱きしめられる

　

　

『ちょ、何？どうしたの？…轟？』

　

　

　

私を包み込むように抱いているその腕は

微かに震えていた。

　

　

　

　

轟「すまない、もう少しこのままで…いさせてくれ。」

『…』

　

　

　

それから轟は消え入りそうな声で話し始めた。

　
　

エンデヴァーが求めていた個性を
持っていたのは兄弟の中で自分だけで

小さい頃には無茶な訓練をし
辛い日々を送っていたそう。

轟「…記憶の中の母さんは、いつも泣いていた。
__でも俺は何もできなかった。

精神的におかしくなって俺に怪我をさせ
親父に病院送りにされちまった。」

『なにそれ…今、お母さんは？』

轟「少し前、会った

多分…もう大丈夫。」

きっと怪我というのはこの火傷のアザなんだろう。

　

轟「親父を完全否定する為に
炎の個性は使わないようにしてたけど

俺は自分のなりたいヒーローになる為にこの個性も使うことにした。

でも親父は…なんにも変わらない
変わろうともしていない。

だから美都里にも不快な思いをさせちまった

本当にすまない。」

　

『轟が悪いわけじゃないんだから
これ以上謝らないで

…轟は凄いよ。羨ましいなぁ』

　

腕の中から抜け出し、そっと火傷の跡に触れる

　

　

　

　

『大丈夫、過去を乗り越えられた貴方は強い(ﾆｺｯ

お父さんともいつかしっかり向き合えるといいね』

轟「？！ｯｯ…ああ。(あれ、今俺なんでﾄﾞｷｯとしたんだ？」

　

"悪いけどインターンの話は無かったことにしといて"

と最後に伝えその場で轟と別れた。

私は強くなかった…だからこそ、きっと

エンデヴァーと同じような父を
殺めてしまったんだろう

もう、名前も顔も____色々と

忘れてしまったけれど。