#14 ページ16
＊黒霧side＊
あの、死柄木弔の顔に付いている手を取ったAさん。
その瞬間、空気が変わった。
私は本当に死を覚悟し、Aさんの安全を考えワープゲートを開こうとしていたのですが…
『あはは！ちょ、待ってくすぐったいよ笑
弔、ごめんって！耐えられない！』
死「Aがいたずらするからだろ…？
我慢しろよ？」
なんという事でしょう。
目の前の、カウンター越しには
少し笑っている死柄木弔がいて、その上に座っているAさんをくすぐって戯れているではありませんか。
『もう！！やめないとこの手、私がもらっちゃうから…！！』
死「ん〜？それは聞き捨てならねぇなぁ」
死柄木弔から奪った手を顔につけて遊んでいるAさん。
そんな事をされてもあの、死柄木弔が怒らないなんて…
今夜は悪いことでも起こるのか？？
誰かが死ぬのか？？←
黒「(……もう、そこまでAさんに心を許しているのですね。)」
いつだって恩師である、先生しか信じていなくて
周りを見る目は狂気じみていて、冷たい瞳をしていたのに
Aさんを連れてきたあの日から、
Aさんを見るときだけは愛情に溢れた瞳をしている…。
少しは、人間味が増した様ですね。死柄木弔。
ずっとそばにいる身としてはとても嬉しいです。
きっとあの方も同じことを思っているでしょう…。
Aさんも、敵連合に加わった後はなんだかんだでやはりとても警戒していて
そばに近寄って来た死柄木弔に怯えた表情で、
"『ち、近づかないで……！！私に触れようとしないで！！
敵連合には入れてもらったけど、貴方たちのこと仲間だなんてまだ思ってないから…！！』"
なんて、言っていたのに今では…
"『弔！！弔ｯｯ！！
暇だからお出かけしよう〜！！』"とか、
自ら死柄木弔に触れ、Aさんはたくさん笑顔を見せる様になった。
きっとAさんが心を開いてくれたのは、
死柄木弔がめげずにAさんに寄り添ったからだろう。
私は毎日のように「大丈夫だから。この先何があっても俺を信じろ。」とAさんを抱きしめているところを見た。
黒「(報われましたね。死柄木弔一一一一一一。)」
＊黒霧side 終＊
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作者名：あずき | 作成日時：2020年10月7日 22時
