144話 星の輝き 夢主side ページ26
.
ーーーーーーーーー海へ来て5日目の夜。
ここへ来て、4日目には依頼された曲は全て出来上がって早乙女さんに送った。
最後の１日、私はこの海を見た時の情景や、日中の光景などをイメージした曲作りをしていた。
「……うん、後は家に帰ってからしっかり変化を付けましょう」
私は書き上げた楽譜をファイルにしっかりと閉じる。
閉じたファイルの表紙を軽く撫でて、鞄へと直した。
今回出来た曲は３曲。
テーマは「夕暮れの海」、「夜の海」、「強い夏の日差し」。
これはいつか、歌ってくれる事を願うアイドルのための曲。
私は依頼の曲を作る合間は、こうやって沢山のレパートリーを増やしていた。
(まぁ、それが叶うかどうかは、分かりませんが…)
私は胸の内で苦笑した。
「……ここでの生活も今日で終わりですね。
おそらく、明日の朝には自分の部屋のベッドでしょうか」
いったいどうやってあの家に鍵無しで入ってくるのか、今でも不思議に思う。
「……慣れって、怖いですね。
あ…そう言えば、水無月君大丈夫でしょうか…。
声がどこか、泣きそうな感じがしましたが…」
昨日、4日目の早朝にかかってきた電話は、七夕の日に電話してきた水無月君からだった。
ーーーーーーーーー
「はい、もしもし？」
涙『……あ、星歌？』
「はい、おはようございます」
涙『……うん、おはよう。
……こんな朝早くに、電話してごめんね？』
「いえ、もう朝食も終わって、今から作曲作業に入ろうとしてた所なので、大丈夫ですよ」
涙『そっか……、よかった…』
水無月君の声を聞いて、ふと感じた事。
ほっとしたような声音、だがどこか泣き出しそうな、怖いものを見た時のような、そんな声に聞こえた。
「あの…、水無月君、何かありましたか？」
涙『え……？どうして？』
「いえ、なんだか…、泣きそうな声だなと思いまして……」
涙『！……あ、ううん。何でもないよ？
ただちょっと、怖い夢を見て…、それでかな？』
「怖い夢……」
涙『でも、もう大丈夫…。海達もいるし、星歌の声も聞けたから……。
…僕ももうすぐ朝ごはんだから…、行くね？』
「あ、はい。お仕事、頑張ってくださいね」
涙『うん…。星歌もお仕事頑張って…、じゃあね』
ーーーーーーーーー
「ﾊｧ…また、重ねようとしてますね…」
私は窓越しに、夜空に輝く満天の星を見上げる。
星達は、その命と存在を表すように、力強く輝いていた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 143人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
星歌(プロフ) - †NANA†さん» こんにちは、コメントありがとうございます。こちらに関しましては他の方からも言及があったのですが、フラグを立てているため変換されていないのだと思われます。直し方も分かっていないので、申し訳ありませんがご了承頂けると幸いです。 (2021年1月31日 18時) (
レス) id: a0f7ae3e39 (このIDを非表示/違反報告)
†NANA†(プロフ) - 葵さんの名前の所が○になっています。 (2021年1月28日 16時) (レス) id: 9dc612bbe9 (このIDを非表示/違反報告)
星歌(プロフ) - もんたろさん» 返信が遅くなって申し訳ありません。コメント、頂けるだけでも嬉しいです！残念ながら、私にも未だ分かっていない状態でして…。本当にすみません…。 (2017年12月31日 13時) (レス) id: 705ad98d73 (このIDを非表示/違反報告)
もんたろ(プロフ) - すみません。作者様にも原因が分からなかったんですね…お話を読み進めてから気づきました。コメントは気になさらないでください。 (2017年12月30日 22時) (レス) id: 47cdc4e065 (このIDを非表示/違反報告)
もんたろ(プロフ) - コメント失礼します。葵さんの名前がなぜだか〇になっていて、誤字かと思ったので報告させていただきました。既に気づいていらっしゃったらすみません…。とても引き込まれるお話で、時間を忘れて読ませていただいてます。更新頑張ってください。 (2017年12月30日 22時) (レス) id: 47cdc4e065 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：星歌 | 作成日時：2017年5月17日 17時
