4回目のお祝い ページ16
移籍の翌日は彰さんのお誕生日だった。
どうにかこうにかお誕生日は穏やかな気持ちになってから迎えたかった、特別な日だから。
『彰さん、朝ですよ〜?』
石「…朝じゃない」
『本日の主役さん、起きてくださーい…』
こちらに背中を向けてる寝起きのあまり良くない彰さん。もう!お仕事遅れちゃう…そっと背中に擦り寄ると驚いたのか肩が少しはねた。
石「ねぇ、それはお誘いなの?」
『あ、朝はダメ、今日はお仕事です!』
石「へえ、なら夜はいいんだ」
『…朝から意地悪、』
石「据え膳食わぬは〜って言うじゃない」
もうこのままだと完全に彰さんのペース…
『夜は、先にケーキ食べませんか?彰さんのお誕生日お祝いしたいです!ケーキ食べてから据え膳でもなんでも!』
あ、しまった、これは
石「ありがとう、楽しみにしてるよ?」
なんて楽しそうな怪しい笑顔…
事務所で書類の書き込みを終えると鈴村さんに
「ケーキとプレゼント買ったん?」
「プレゼントは私ってやるん?」とか沢山ニヤニヤしながら聞かれてあわあわしていたら
良いタイミングで鈴村さんのケータイが鳴って挨拶をして事務所から出た。
予約していたケーキは初めてお誕生日のお祝いをした時に彰さんが
「Aが覚えてたら来年もこのケーキがいいなぁ」って少し恥ずかしそうに言ってくれたケーキと同じ。毎年このケーキだから4回目。
私の方が先に帰宅したので早速手を洗って支度を始める。
料理も作り終えた所で彰さんが帰ってきた。
『彰さん、お誕生日おめでとうございます!』
石「ありがとう。今年も祝ってくれて」
『彰さん大好きです』
石「僕もAが大好きだよ。出会ってくれてありがとう」
幸せな日々
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作者名:眠斗 | 作成日時:2024年3月11日 0時