二十九話 ページ31
手の鬼からはとても悲しい音がした。
どうか、どうか。
この人が幸せになれますように。
私は手を合わせ、そう天に祈った。
鬼は静かに消滅した。
✿✿✿
｢じゃあA、絶対終了日まで生き残ろうな！｣
｢うん！炭治郎、また!!｣
手の鬼を倒したあと、私達は別行動をすることになった。
その方が今後、お互いのためになるだろう。
と考えたからだった。
私は炭治郎が見えなくなるまで手を振った。
炭治郎もそれに笑顔で振り返してくれた。
手を振り終えて、ふぅと一息つくと後ろからドダダダダとなにかが走ってくる音がした。
迫ってくる。
｢猪突猛進！猪突猛進！｣
え？猪突毛根？
なにそれ。
私はその声の主を遠くからジーッと見つめた。
よくみると少年のように見えるのだが、頭が。
猪だった。
｢猪突猛進！｣
ドカッ！
猪頭をかぶった少年は私のお腹に勢いよく頭突きした。
｢ゴフッ！な……なに!?｣
ジーッと見てはいたが、まさか突っ込んでくるとは思わなかった。
頭突きされたところがかなり痛い。
私は少年に向けて言った。
｢君｢猪突毛根！猪突毛根！｣って言って走ってるけど人にぶつかっちゃだめだよ!?｣
｢何が猪突毛根じゃ！猪突猛進！お前頭大丈夫か!?｣
あ、猪突猛進ね。
というか、なぜだか頭の心配をされた……。
頭は別に痛くないんだけど。
｢うん、頭全然大丈夫だよ。心配してくれてありがとう。君こそ頭平気？｣
｢ああ!!なんたって俺は山の王、嘴平伊之助だからな！｣
伊之助は仁王立ちをし、堂々と答えた。
……改めて見ると、恵まれた体をしてるな〜と思った。
ムキムキの上半身。
きっと相当厳しい鍛練を繰り返していたのだろう。
すごいなぁ。
伊之助が｢お前もなんか言えよ！｣というので取り敢えず自己紹介をした。
｢私は花園A。えっと、舞の呼吸の使い手だ！｣
伊之助の真似をして、少しカッコつけてみた。
それを聞いた伊之助は、｢やっぱお前、頭大丈夫か｣と言ってきた。
だから、頭は痛くないのに。
私は向かい合っている伊之助の顔を見つめた。
いや、顔というより猪頭を。
……目が綺麗だなぁ。
｢目？｣
つい声に出てしまったようだ。
伊之助が不思議そうに聞いてきた。
｢そう目！すごく綺麗……。宝石みたい｣
青く美しく染まった目。
私は引き込まれるようにそれを見つめていた。
｢……もっと近くで見るか？｣
と伊之助が猪頭を頭から外した。
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桜子(プロフ) - 紫織さん» ありがとうございます!!夢主ちゃんを褒めていただきすごく嬉しいです！ありがとうございます！これからも、頑張って魅力的な夢主ちゃんを書こうと思います！大好きなんて最高の褒め言葉です！本当にありがとうございます！これからも応援よろしくお願いします！ (2019年8月18日 21時) (
レス) id: 9e6ca9452c (このIDを非表示/違反報告)
紫織(プロフ) - この作品がとっても大好きで更新されるたびににやけちゃいます！主人公の真っ直ぐな考えと天然さが合わさってとっても可愛いですね！これからも頑張ってください！！ (2019年8月18日 19時) (レス) id: 76ad666f78 (このIDを非表示/違反報告)
桜子(プロフ) - チョコレートさん» ありがとうございます!!面白いだなんて……！とても光栄です！物語が進んでも、そう思ってもらえるように頑張ります！これから色々なキャラクターとの絡みも書いていきますのでお楽しみに♪これからも応援よろしくお願いします！ (2019年8月11日 22時) (レス) id: 9e6ca9452c (このIDを非表示/違反報告)
チョコレート - まっっじで面白いです！(≧∀≦)これからも更新頑張ってください！ (2019年8月11日 22時) (レス) id: 20ae2e0245 (このIDを非表示/違反報告)
桜子(プロフ) - 降夜さん» ありがとうございます!!初コメントすごく嬉しいです泣。ストーリーのことも褒めてくださって……！コメントを見るたびに喜びで胸がホワホワしますぅ！更新、明日にはできると思うのでそれまでお待ちください！頑張ります!!!! (2019年8月10日 21時) (レス) id: 9e6ca9452c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜子 x他1人 | 作成日時：2019年8月4日 19時
