心の声【her view】2 ページ29
”嫌い”
なんて言葉を吐くようになる前は一緒に居る時間も長かったのに
突然二人きりになるのを避け始めたのはカカシが暗部を抜けてからだ
「やっぱり……暗部を辞めさせたの怒ってるのかな?」
前に一度本人にそのまま聞いた事がある。
その時は凄く面倒そうな顔で
『何言ってんの。そんな事で怒らないし、Aが決めた事じゃないじゃない。』
と呆れていた。
「……本当に何考えてるか全然分かんないや。」
言葉と共にもう一度大きく溜息を吐いて、立ち上がる。
甘味屋のおばあさんに軽い挨拶をして、カカシが多めに置いて行ったお金のお釣りを持って街に出た。
その足で向かったのは生花店
「いーのちゃん。」
「A先生!!いらっしゃい!」
机上に頬杖をつき、暇そうに店番をしていた彼女の名前を呼べば、花が綻ぶように笑った。
「こんにちは、いのちゃん。今日も可愛いね。」
「やだもうっ!A先生に言われると嫌味にしか聞こえなーい。」
「え?何で?」
「何でって……A先生がすっごい美人だからですっ!!」
「またまたぁ!商売上手だなぁ。」
ケラケラ笑って数本花を手に取って眺める私に、いのちゃんはどこか腑に落ちない顔で溜息を吐いた。
「まぁ……先生本人が自覚してないのとカカシ先生って言う最強のボディーガードが居て、だぁれもA先生に手を出せないもんなぁ。」
「なんでそこでカカシの名前が出て来るかな?」
選んだ花をいのちゃんに手渡しながら苦笑すれば、いのちゃんは呆れた顔をしてみせる。
「え?だって、カカシ先生って、A先生の事が大好きじゃない。」
「アハハッ!いのちゃん、それすっごい勘違い!!カカシはね、どっちかって言えば私の事は嫌いなんだよ?」
「……は?」
「それに、ボディーガードってなぁに?私いつカカシに守られてた?守ってるつもりはあるけど、守られた覚えはないよー?」
「面白いこと言うなぁ!いのちゃんは」と笑う私に、いのちゃんは綺麗な瞳を大きくしてそれから何かを思いついた様にニヤリと笑って見せた。
「ねぇえ?A先生?良い事教えてあげる。」
「良い事?」
「この間の話なんだけどね。上忍の男の人が、うちに花を買いに来たのよ。」
「うん?」
「で、その時偶然、カカシ先生も店の中に居たんだけど。」
「へぇー。」
きっとリンにいつもの献花を買いに来たんだろうなと考えながらいのちゃんに相槌を打つ。
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テン(プロフ) - かなさん» かなさんコメントありがとうございます(*^^*)そう言って頂けてとても嬉しいです!亀更新で申し訳ないですが、これからも楽しんで貰えれば幸いです♪ (2022年4月29日 2時) (レス) id: c0a1965786 (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - とても面白いです!応援しています(^^*) (2022年4月16日 5時) (レス) id: a32747b1ee (このIDを非表示/違反報告)
テン(プロフ) - sayyさん» sayyさんコメントありがとうございます。亀更新で申し訳ありません^^;とても励みになりました!続きは気長にお待ち頂ければありがたいです(*^^*) (2021年9月27日 21時) (レス) id: 7837fbad55 (このIDを非表示/違反報告)
sayy - カカシが可愛い!応援してます!頑張ってください! (2021年9月23日 21時) (レス) @page37 id: 694cb4f9d7 (このIDを非表示/違反報告)
テン(プロフ) - キーさんさん» キーさんコメントありがとうございます。確かに最近ナルト作品少ないですよね(^^;ナルト君達も出していけるように頑張りますね♪応援ありがとうございます(*^^*)とっても嬉しいです。 (2021年2月14日 12時) (レス) id: 3d6ac160d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:テン | 作成日時:2021年2月6日 22時