塩の壁は高い？！ −４−

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「……仕方なかったの。」


龍友「何が？」


「事務所から…別れろって。」


龍友「…はぁ？」


「今度…映画に出ることになってん。
それで…メディアを騒がすことはせんでくれって。
お前を売り出したいから、頼むって。
ＣＭも決まったから…余計うるさくなって…。」


龍友「…。」


「ましてや、兄のいるグループの人との
交際なんて…メディアにとっては最高のネタから…
勘弁してくれって。今…大事な時期やから。
私も…GENEやってそうやろ？
今問題起こしたら大変やん。」


龍友「問題って…。」


「聞いたやん？トレーニングと歌やったら
どっち選ぶ？って。即決で歌やったやろ？」


龍友「…。」




「…私も…仕事と恋愛やったら……」


龍友「それとこれとは別やろ！」


「…仕方ないねん！！！
ずっと夢やったこの仕事を…
ぐちゃぐちゃにしたないねん……。泣」


龍友「っ…。」





分かってる…。


こんな理由で玲於くんと別れるなんて…。


でもそれが…この業界では…


当たり前なんやから…。




いつでもどこでも誰かに見られてて…


一般の人やったら騒がれへんことも騒がれて…。




「もう…決めたことやから。
今回のことは…私の理解者のマネージャーさんも…
味方にはなってくれへんかったし。」


龍友「…そんな…。」


「ってわけで…もうこの話はおしまい。」


龍友「…。」





分かってもいないのに、


分かったと言ってくれたお兄ちゃん。



そういう優しいところが好きやで。ありがと。



こういう時は美味いもんでも


食いに行こうやって言ってくれたけど…




この顔で外に出たくないって


文句を言うたら出前を頼んでくれた。



こういうところ。


見た目とは裏腹にイケメンやんな。


ありがと。

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