ピース〔３〕

119 ページ19

.


「ただいま。」



シーンと静まり返る家。


今日はお兄ちゃんにいてほしかった。


って居たら居たでウザいんだけど。






夕食を食べて部屋でぼぉーっとしてた。



ダダダダダッっと勢いよく階段を上がる音。




これは確実に…

直人「はぁはぁ…ただいまっ！！」


「…おかえり。」


直人「ねぇねぇ俺に会いたくなかった？」


「はぁ？苦笑」


直人「いや、なんかね、
仕事中Aのことが頭に浮かんで！」


「…。」


直人「っていつものことなんだけど。くくっ。笑」


「…苦笑」





やっぱりさっきの気持ち撤回。


ウザいから、いてほしいなんて思わない。




直人「ウザいって思ったでしょ？」


「うん。」


直人「ひどっ！！笑
でももうウザいの居なくなるから。」


「えっ？」


直人「俺、一人暮らしするから。」


「…なんで？」


直人「えっ？寂しい？寂しいの？
ねー？寂しい？笑」


「…別に。」


直人「もぉー素直じゃないんだからぁー。笑
もう、Aがしっかりと
前を見れるようになったから。」


「えっ？」


直人「ずっと過去ばかり気にしてたのに、
前を見ようと努力してるから、
もうお兄ちゃんは要らないかなって。」


「…。」


直人「俺はどんな答えを出そうと、
前に進めてるAを応援してるよ。」




「…ねぇ…。」


直人「ん？」


「想うのと想われるのってどっちが幸せ？」


直人「んー。どっちも幸せだよ？」


「…。」


直人「だって、俺はAを想ってるし、
Aに俺は想われてるし。
まぁAがいたら幸せだね。うん。
……で？なんの話だっけ？笑」


「…もういい。」


直人「くくっ。怒んなよー。笑
とりあえず、どっちを選んでも
Aは幸せになれる。
だってお兄ちゃんの妹だよ？」


「…。」


直人「ふっ。たくさん悩みな。大丈夫。
Aは前に進めてるから。じゃ、飯食ってくる！」


「…ん。」


直人「寂しくなったら、
一緒にリビング降りてくれてもいいんだよ？」


「行かない。」


直人「くくっ。だよね。笑」




お兄ちゃん…全然いい答え出してくれなかった。



それより…一人暮らしするんだ…。



まぁ同棲してくれる彼女さんいないもんね。

120→←118

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す