すぐそばに君はいた −13−

605 陣side ページ5

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陣side



あの後、Aがストーカー被害に合ってることは


事務所内に知れ渡った。



でも、Aがどんな性格の子なのか


理解してくれてる先輩方は


直接Aに大丈夫か？なんて言わず、


俺らにコソッと聞いてくる。




龍友くんはモバイルに、


虚偽の噂に惑わされるなとアップしたり、


誰かさんにせがまれてオソロになったサングラス


ってAに買ってあげたことをアップしてくれた。




あんな噂がなくなればええのに…。




Aは、一切あの男について話そうとしない。


でも、毎日DMがきてるのは確かで、


マネージャーが毎回チェックしてくれている。




大樹「Aちゃん大丈夫？」


陣「んー…あいつこういう時は1人で抱え込むから…。」


大樹「俺らも必要な時は協力するから。」


陣「ありがと。」




どうしたものか…。



誰しもが頭を抱えてるのに、


張本人はケロッとしとるみたいやし…。




Aのことが気がかりやけど、


もちろん俺らにも仕事があるわけで、


今日のジブザイルに、健太、瑠唯、いっちゃんが出る。




カメラが回れば、


普段通りのテンションで生放送が進んでいく。





生放送が終わって、楽屋に戻った。


大樹がトイレに行ってる間に、


健太にあいつどう？って話しかけると、


大きなため息を漏らした。




健太「俺に甘えるからって言ってきたくせに、
何にも言わねぇし、家にも来ねぇし…
ほんとあいつの考えてることがわかんない。」


陣「…。」


瑠唯「いっちゃんには？なんか言ってくる？」


樹「いや…今回のことは何も。
電話してても台本読みたいからってすぐ切られるし。」


陣「はぁ…なんでそんなに意地になってんねん…。」


健太「俺ってそんなに頼りないのかな…。」


樹「いや、そんなことないと思います。
健太さんも撮影で忙しいから。」


健太「……はぁ…。」


瑠唯「早く捕まればいいのに。」





その願いは、いつ叶うんやろ…。

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