すぐそばに君はいた −13−

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「ねぇ…。」


夏喜「ん？」


「もし…もしさ、今まで煌々と光り輝いていた場所に
いたはずなのに、急に暗闇になったらさ、
なっちゃんなら…どうする？」


夏喜「何？心理テスト？」


「いや、」


夏喜「えー…俺なら…」


「…。」


夏喜「まずはその消えた明かりをつけるかな。」


「えっ？」


夏喜「急に暗闇になったんでしょ？
暗闇になったなら明かりをつければいいじゃん。」


「でも、その明かりが
手の届かないところにあるとしたら？」


夏喜「んー…。
何かにのぼってでもつければ良くない？」


「…。」


夏喜「で？これはなんの心理テスト？」


「いや、心理テストじゃない。
これといって答えはないんだよね。」


夏喜「はっ？笑」


「ふふっ。変なこと聞いてごめんね？
でも、なっちゃんは暗闇に
明かりを灯そうと努力するってことね。」


夏喜「まぁ。よくわかんないけど。
行動には移すかな。Aは？」


「…ねっ。私は…ずっと暗闇の中で小さくうずくまって
誰かが助けに来てくれるのを待ってる…んだと思う。」


夏喜「いや、行動しろよ。笑」


「ふふっ。ねっ。他力本願は良くないよね。」


夏喜「らしくなくない？」


「確かに。私らしくないかも。」


夏喜「って、そんなにAのこと知らないけど。」





前に進まなきゃ行けないのに…。



私は動けずに…


いつか健太さんが


手を差し伸べてくれるんじゃないかって……



待ってても無駄なのに。




撮影場所に戻って、気持ちを切り替えて踊った。



やっぱりダンスは良い。


身体を動かすと気が楽になる。

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