すぐそばに君はいた −13−

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海青の筋トレを見て笑ってるメンバーがいる中、


健太さんが振りを確認してるのが視界に入った。




真剣に振りを確認してる姿が、一言で言ってカッコいい。


二言で言っていいなら、ものすごくカッコいい。



樹「見すぎじゃない？笑」


「えっ？ふふっ。」



健太さんを見つめてるのを樹にバレた。


別にバレても構わないけど。



普段一緒にいる時ももちろんカッコいいけど、


ダンスしてる時の健太さんは眩しいくらい輝いてて


カッコよさが増す。


だから見惚れちゃう。




こんな素敵な姿見なきゃ損でしょ！


って樹に言うと笑われた。




そんな私に気付いて、ふっと微笑んでくれた健太さん。


その優しい笑顔に、私はどんどん好きが溢れていくんだ。




「よしっ！今日も頑張ろー！」


樹「単純なヤツ。笑」


「ふふっ。ほんとね。」





張り切ったせいか、


あっという間にパフォーマンスが終わってしまった。



毎回思う。1曲じゃ足らん！もっと踊らせてくれい！




緊張から解放されて賑やかな楽屋。



みんなの表情が明るくて自然と私も明るい気持ちになる。




健太「ねぇA。」


「あ、健太さん。今日、ご飯食べてから帰りません？」




名前を呼ばれ振り向くと、


疲れてるのか表情が暗い健太さん。




健太「…。」


「ん？」




健太「別れよ。」


「えっ…」




今なんて言った？



都合のいい耳のせいで、全然聞き取れなかった…。




健太「俺ら、メンバーに戻ろ。」


「…。」




賑やかだった楽屋が一気に静まり返っていたおかげで、


聞き取りたくない言葉が嫌でも耳に入ってきた。




健太「んっ。」


「えっ……」



んっと差し出された合鍵…。




どうしたらいいか分からなくて


受け取らないで健太さんを見つめていると、


ここ置いとくねってテーブルに置かれた。




「えっ…。」


健太「じゃ、おつかれ。」


「……。」




そう言って私の横をすーっと通って


楽屋を出て行ってしまった。




彰吾「ちょ、健太？」


陣「おい！健太？」




……。




今、何が起きた？



真っ白になった頭では何も考えられず、


ただただ立ち尽くすしかなかった。



そんな私に、A？って優しく話しかけてくれる翔吾さん。




翔吾さんの声で現実に引き戻され…


膝から崩れ落ちるように床に座り込んでしまった。

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