すぐそばに君はいた −12−

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「山彰さんっ！」


彰吾「お疲れ。帰ってきたんだ。」


「はい。今日。帰ってきて早々、
海青とトレーニングしてぐったりです。」


彰吾「海青は？」


「行くところあるからって先に帰りました。」





ふーんって言いながら、私の隣に腰掛けた山彰さん。



明らかにトレーニングするような格好じゃなくて、


たまたま通りかかったら


私が見えて声を掛けてくれたんだろうな。



…たぶん。




彰吾「てか、今スマホ見て
険しい顔してたけど？なんかあった？」


「今ストーリーあげようと思って、
なんて文字入れようか悩んでました。」


彰吾「で、そんな険しい顔になる？笑」


「いや、もうヘトヘトで何も考えられなくて。笑」


彰吾「ふーん。トレーニング何したの？」


「海青が脚トレやるって言うから、
それに便乗しました。」


彰吾「ふーん。貸して。俺が文字打つ。」


「はい。」




さっき撮ったばかりの満面の笑みの海青の写真を見て


ふははって笑った山彰さんが、


私のスマホを操作して…




彰吾「ん。これでいんじゃね？」


「はーい。じゃあこれにします。」


彰吾「ちょ、確認した？」


「いえ。まぁなんでもいいんですよ。」


彰吾「まぁいいけど。笑」




なんて打ったのか確認もしないで、


山彰さんを信頼して投稿した。




「あ！そうだ。ちょっと来てくださいよ。」


彰吾「えぇ…何？」



立ち上がって手を引っ張ると


嫌そうな態度をしながらも


渋々歩いてくれる優しい山彰さん。




「外での撮影ばかりで、焼けたんですよー。」


彰吾「そうか？」




山彰さんの手を引っ張って全身鏡の前に立った。





「ほら！」


彰吾「…。」


「………あれ？」


彰吾「十分白いけど。」


「あれ？海青と並んだ時、
自分焼けたなぁって思ったのに。
山彰さんと並ぶと全然白い。あれれ？」


彰吾「なんだったら俺より白いから。」


「ですね。やまちほホワイトが
優位になると思ったのに。」


彰吾「また変なこと言ってる。」


「ふふっ。」





呆れてる山彰さんが、


まぁこれがAって感じて別にいいけど


って言ってくれて、


久しぶりに会った山彰さんは甘々だ。

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