すぐそばに君はいた −12−

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健太「飯食ってかね？」


「いいですよー。」


健太「何食べたい？」


「んー…何がいいかなぁ…」


健太「焼き鳥でいい？」


「あ、はい。えっ？
今、何食べたいか考えてたんですけど。笑」


健太「ん？いいじゃん別に。笑」


「いや、全然いいですけど。」




……人に流されないか


ある意味心配になってきたわ。笑



大丈夫だろうけど。






店に入って食べたいものを注文して、


次々運ばれる料理。




美味しそう！って喜んでるAが


無邪気で可愛いななんて思った。




「健太さんとご飯に来たよーって
インスタにあげようかと思ったけどやめときます。」


健太「ん？」


「こんなご時世で外食してるって
叩かれるのも嫌だし、
今日はメンバーをあげすぎてちょっとあれなんで。」


健太「ふふふっ。」




焼き鳥だけ写真を撮ってパクッと1口食べたA。




「美味しくて幸せだぁー。」


健太「よかったね。笑」


「はいっ！家では味わえないですからね。」




久しぶりにAとの外食。悪くないな。




健太「撮影どうだった？」


「いやぁ朝から夜まで大変でしたよ。
雨降って撮影スケジュール ズレたり。」


健太「おつかれ。」


「健太さんは？順調ですか？」


健太「うん。もうギターの撮影も終わったし。」


「おぉ。お疲れ様でした。
じゃあもう弾いてないんですか？」


健太「もう、触りたくない。笑」


「えーもったいない。
ギター弾いてる姿も素敵だったのに。」




ドラマまでお預けかって言いながら


焼き鳥を食べたA。


テーブルに置いていたAのスマホが


パッと明るくなった。




「ん？えー…。」


健太「ん？」


「ファンの人達がザワついとるって
翔平からLINEです。」


健太「ふふっ。」


「海青に食われて立てなくなって、
山彰さんを食ったから寝顔撮れたんか？
ってファンが騒いどるぞ！ですって。
あーもう！絶対エゴサなんてしないんだからっ！」


健太「ふははっ。」



そもそもエゴサ好きじゃないから


滅多にしないじゃん。



こうやって律儀に教えてくれるメンバーがいるし。






お腹が満たされて


タクシーに乗ってマンションまで向かった。

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