あなた色に染まる〔７〕

番外編2 ページ27

.


集中してると時間はあっという間で、


部活が終わった。




更衣室で着替える前に


携帯を見ると龍友からLINEが来てた。



“今日部活行かへんかったから、
気をつけて帰ってきてな。
駅着きそうになったら連絡ちょうだい”




珍しい。筋肉バカが部活を休むなんて。


何かあったのかな？まっいいや。




駅に着きそうになったら連絡します。


って返信して着替えた。




着替えて更衣室を出て、


いつものように5人で外に出た。



隼「あれ？龍友くんいなくない？」


裕太「ほんまや。」


「あーうん。」


紗季「昨日のこと根に持ってるんじゃない？笑」


充希「でもそれって逆効果じゃない？笑」


紗季「確かに。笑」


「いや。苦笑 なんか部活出なかったらしいよ。」


隼「えーなんで？」


「さぁ？」


裕太「珍しいことがあるんやな。」


「ねっ。」



1人だから気をつけて帰ってねー！


ってみんなと別れて1人歩いてた。





裕太が送ってくって言ってくれたけど、断った。


龍友が居なくたって、別に平気だし。





1人歩いていると前に見覚えのある姿があった。




歩くスピードが相変わらず遅いな。


そんなふうに前を歩く人を見ていると、



樹杏「あっ！A先輩っ。」


「あっ…ども。」



ふと後ろを振り返った樹杏ちゃんに


気づかれてしまった。



樹杏「1人なんですか？」


「うん。」


樹杏「ですよね。龍友先輩今日休みましたもん。」


「……うん。」




樹杏ちゃんに話しかけられるのはまだ良いとして…


気になるのは……



部長「あいつデートのために
ズル休みって訳じゃないのか。」


樹杏「そんな訳ないじゃん。
龍友先輩もA先輩も真面目な人達だから。」


部活「まぁそうか。」


「…苦笑」




3年生のウエイト部の部長と


仲良く話してる樹杏ちゃん。



…タメ口だし…それに…手を繋いでるし…。



そういう事ってことだよね？




樹杏「もし良かったら一緒に帰りませんか？」


「あーううん。大丈夫。急いでるから。じゃっ！」




さよならーって樹杏ちゃんに手を振られて、


バイバイって手を振り返して


足早に樹杏ちゃん達の横を通り過ぎた。

番外編3→←番外編1

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す