あなた色に染まる〔５〕

206 龍友side ページ6

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龍友side



樹杏「A先輩負けちゃったんですよね。」


龍友「あーうん。らしいな。」


樹杏「でも見に行ってた友達が
めっちゃカッコよかったって言ってました。」


龍友「ふーん。」


樹杏「そりゃファンも増えるわって。
これ見てください。」


龍友「ん？」


樹杏「この時が1番歓声が上がったらしいですよ。」


龍友「へぇー。」




直人さんがAを抱きしめてる画像を見せられた。


正直、なんとも思わん。




樹杏「本当に、A先輩の周りって
男の人多いですよねー。」


龍友「まぁダンスやってたら
仕方ないんとちゃう？」


樹杏「そうですかね？」


龍友「ジャンルがあるし。
って詳しくは分からへんけど。」


樹杏「ふーん。A先輩…
本当に選び放題だなぁー。
どんな人がタイプなんだろ？」


龍友「さぁ？」





樹杏と帰るとよくAの話になる。



まぁ共通点って言うたらAか


筋トレの話くらいか。あとマンガか。




Aのこと、何も知らないのに


憶測で話されるのは面白くない。




でも僕が知ってるAを


樹杏に教えるつもりもない。





A…今頃1人で帰ってるんやろか…。





あの脅 迫文らしきもんは、


警察に相談しに行って


何とかしてもらえばええのに…


大事になりたないからって警察には言わないって。




一層の事、言うてくれた方が


僕としてはありがたいんやけど…。






樹杏との帰り道、



ポケットに入れていた携帯がブルった。






ポケットから取り出して


通知を見ると隼からやった。






“さっき駅前でA、ナンパされて固まってたよ！”


“俺の女に手を出すな！って助けたら…”


“A…目がハート！困ったなぁー惚れられたかも”


“ダンス以外の相方になる日も近い？笑笑”


“なんてね。笑笑”

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