あなた色に染まる〔５〕

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龍友side



部活中は携帯は更衣室にしまっとけよ。


って先輩に言われた。


親から大事な連絡が来る予定なんですみません。


って適当に嘘ついて持ち歩いた。





あいつ…1人で大丈夫やったかな？


途中で変なやつに捕まってへんかな…。




早く…連絡よこせや。


もう着いててもいい頃やろ？




樹杏「龍友先輩？」


龍友「ん？な、何？」


樹杏「補助つきますか？」


龍友「…あーいや。大丈夫。ありがと。」


樹杏「はい。必要になったら声掛けてください。」


龍友「ん。」





“無事着きましたので、
部活に集中してください。じゃ！”




よかった。無事に家に着いたか。






“おつかれ。じゃまた明日！”




龍友「っしゃー。やるか。」




家に着いたんやったら、一安心やわ。



これでトレーニングに集中出来る。




なぁ…A…。


昼休みに言うたこと…本気で受け取ってくれたか？


何があろうと…僕は幼い頃から


ずっと…Aだけを愛してんで。









部活が終わって更衣室を出ると樹杏が待ってた。





樹杏「帰りましょ。」




龍友「…うん。」




2人で歩く道…やっぱ歩くペースが合わへん。





龍友「なぁ…」


樹杏「はい？」


龍友「何度も言うけど、まじで記憶が無いねん。」


樹杏「…。」


龍友「記憶がなくて、あれやけど…
ほんまはやってへんよな？」


樹杏「…。」


龍友「ほんまのこと言うてや。お願い。」





なぁ…頼む。




嘘でもやってへんって言うてくれ。

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