あなた色に染まる〔５〕

204 隼side ページ4

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隼side



Aと駅まで歩いた。



本屋に行こうとしてたのは事実だけど、


少しでもAを1人にさせたくなかった。




俺らに気を遣いすぎなんだよ。



駅まで送って！とか言ってくれた方が


どれだけ楽か。笑





まぁ俺らよりも龍友くんの方が


気兼ねなく言えるからいいんだろうな。




隼「ねぇ本当は龍友くんと一緒に帰りたい？」


「えっ？笑」


隼「…一緒に帰りたいなら、
龍友くんと帰りたいって直接、
口にしたらいいよ。」


「えっ？」


隼「そしたら、龍友くんのことだから、
Aを選ぶと思うよ。」





Aのお願いなら、


龍友くんは何をしてでも叶えると思う。




樹杏よりも確実にAを選ぶだろうし。


当たり前だけど。




「…うん。でも一緒に帰りたいって
別に思ってるわけじゃなくて、
ただ隣に住んでるから
一緒に帰るのもありかな？って程度だから。」


隼「…そっか。まっ、それならいいんだけど。」






全然…自分の気持ちに気づいてないA。




隣に住んでるからって


理由だけじゃないと思うけどなぁ…。



まぁ気付かないでくれた方が、


好都合ではあるのか。



俺や裕太くんにとっては。笑




でも…気づいた時にすでに遅し…


だったら…見てられない…。




ってそんなことありえないか。






「じゃ、お疲れ。」


隼「うん。バイバイ！」





本屋の前でAと別れた。




バイバイって手を振って


駅の方へ歩いて行ったA。




本当に…可愛いよなぁー。



さっ、マンガ買って帰ろーっと。





本屋に入ろうとした時、


駅の方から歩いて来た人の声で足が止まった。





男1「今の子、可愛くなかった？」


男2「うそ？どれ？」


男1「あの子。」


男2「っしゃ。行くか。」


男1「うん。」




駅の方へ戻っていく2人…。





Aの…ことじゃない…よね？





ちょっと不安になって…


本屋に入らずに駅に向かった。




.




あっ…。



「いや…。苦笑」


男1「ねぇいいじゃん。遊ぼうよ。」


男2「どうせ男慣れしてるんでしょ？
いいじゃーん。ちょっとだけ。ねっ？」


「…。」






男2人に絡まれてるA…。



男慣れ？


男女関係なく人見知りな子が


お前ら2人に囲まれたら俯くしかないじゃん。

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