声が枯れるまで叫びたい [５]

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隼が帰ってから、剛典さんと2人。



優しい眼差しの剛典さん…


でもその優しさが今は辛い。


「…。」


剛典「今回は本当につらかったよね。」


「…。」


.


剛典「Aには残念なお知らせがあります。」


「…。(ｺｸﾘ)」


剛典「また…車での登下校。
どこに行くにもボディーガードがつきます。
門限は22時です。」


「…。」



わかってた。



家族に迷惑をかけてしまった代償は


大きいことくらい。




剛典さんから目をそらして窓の外を眺めた。


目の前が…ぼやける…。



剛典「ごめんね。」


頭を撫でられた。



剛典「泣かないで。
俺…力になれなくて本当にごめん。
説得したんだけど…今回はダメだって…。」



涙が止まらない。


私の自由がなくなったこと…


剛典さんに迷惑をかけてしまったこと…。


私のために頑張ってくれたんだろうな…。



もう…こんな人生いやだ…。


なんで…なんで私ばかり…。



剛典「本当にごめん…。」


「…。」首を横に振る


『ごめんなさい』


剛典「力になれなくて…本当に…ごめん…。」


“謝らないでください。
剛典さんに謝られるのはつらいです。
私のせいで、ごめんなさい。
もう大丈夫です。私は大丈夫ですから、
剛典さんが悲しむのが一番つらいです。”


剛典「…。」


“別に車でも、ボディーガードがいてもいいです。
それほど家族に迷惑をかけたから。
だからしっかり反省します。”


剛典「反省…。」


『だいじょうぶ』


“今は早く退院することに集中したいです。
ご飯も頑張って食べます。
自分で動けるように努力します。
だから剛典さんは笑っていてください。
お願いします。”


剛典「A…。」




久しぶりに笑えるようになった時と同じくらい、


ぎこちない笑顔だろうな…今の私の顔…。


でもそんな私の顔みて、


わかった。早く退院できるように


頑張ろうねって微笑んでくれた剛典さん。


本当に優しいお兄様。


もう剛典さんを


悲しませるようなことはしたくない。


だからお父様の言うことはちゃんと聞く。


しばられた生活でもいい。

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