声が枯れるまで叫びたい [５]

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「…。」


涼太「…そっか。いいんじゃない？」


『えっ』


涼太「Aちゃんのことだから、
そうするってわかってたし。」


「…。」


涼太「もしかして、
それで隼が怒って喧嘩したとか？」


「…。(ｺｸﾘ)」


涼太「だから泣いたんだ？」


「……。(ｺｸﾘ)」


涼太「隼はAちゃんのことを思って
怒ったんだと思うよ。」


「…。(ｺｸﾘ)」

“わかってる。
許すことは間違えてるってことくらい。
隼や涼太くんが
心配してくれてることもわかってる”


涼太「うん。」


“でも、もう逃げたくない。”


涼太「うん。わかってるよ。
変わろうと努力してること。いいんじゃない？
でも俺や隼は許すことはないだろうけど。」


「…。」


涼太「大事な人につらい思いをさせた人を
みすみす許せるほど、心広くないから。」


「…。」


涼太「でも、Aちゃんの
やりたいようにやっていいと思う。
俺や隼はそんなAちゃんを
見捨てたりしないよ。」


「……。泣」


涼太「あーごめん。苦笑」


「…。」首を横に振る

『ありがとう』



泣いているAちゃんの右手を握った。


まだ痛々しいあざの残っている手首。



どんなに傷ついても、


頑張ろうとしているAちゃんを支えるからね。



涼太「泣いたら、目の腫れ引かないよ？」


「…。」


涼太「可愛い顔が台無しだ。
でもその顔も可愛いけどね。」


“隼にはブサイクって言われた”


涼太「あいつの目はおかしいんだよ。
あんなやつの言うとこ信じたらダメ！」


『わかった 笑』



涙を拭きながら笑うAちゃん。


どんな表情だろうと、目が腫れていようと、


俺はAちゃんが好きだよ。


まぁ隼もだろうけど。


.



涼太「退院したら、どこにデート行く？」


『すいぞくかん』


涼太「いいよ。」


「…。(ｺｸﾘ)」

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