声が枯れるまで叫びたい [５]

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『おまたせ』


“私の質問に答えてくれてありがとう。
佐藤さんの気持ちはわかりました。私は最近なの。
笑ったり、人といることが苦じゃなくなったのが。

1年生の頃から涼太くんと仲がいいのは、
私に涼太くんが合わせてくれたから。
避けてる私に近づくんじゃなくて
近づいていくのを待っていてくれたから。

佐藤さんは私が口を動かしても
理解できないと思うよ。
だから頷いたり文字を書いたりしかしなかった。

笑うのはごめん。
まだ面と向かって笑える同級生は7人しかいないの。
これは今の私の課題”



大樹「…。」


『わかってくれた？つぎ いってもいい？』


大樹「…。」


隼「わかってくれた？次行ってもいいか？
って言ってるよ。」


大樹「…うん。ありがと…。」



“佐藤さんのやったことは間違えてたし、
それに気付いてるよね？
でも私は佐藤さんを傷つけていたんだね。
ごめんなさい。
私も佐藤さんに傷つけられたからおあいこね！”



隼「A！」



なんでこいつは…


いつもいつもこうなんだよ…。




“今回のことは許せない。でも怒ってないよ。
もちろん良くないことだけど、
この件があったおかげで、毎日隼に甘えてる。

夏休みに会わないだろう人が面会に来てくれてる。
声を失ってから、初めてなの。
こんなにワクワクして楽しい夏休みって。

いろんな発見があって
有志に行ってよかったと思ってるし、
家族との時間やお兄様とたくさん話す時間があって
入院も悪いものじゃないって思えた。
この件は悪いことだけじゃ無かった。
だから怒ってない。もう謝らなくていいよ。”



隼「はぁ…A…いい加減にして。」


大樹「…。」

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