声が枯れるまで叫びたい [３]

111 ページ11

.


涼太「あー。もう一回みたいー！」


『むりだよ』


涼太「無理じゃないよー！だって今出来てたよ？」


龍友「お前、落ち着けって。笑
Aちゃん困っとるやろ！」


『だいじょうぶ』


龍友「ん？ごめん。なんて？」


涼太「大丈夫だって。」


龍友「あー。いやいや、
甘やかしたらあかんって。図に乗るで！」


涼太「ご主人様が厳しすぎるんだよー！笑」


龍友「誰がご主人や！勝手に決めんな！笑」


涼太「え？仔犬拾ってくれたんじゃないの？笑」


龍友「知るかっ！！笑」



.




本当に仲がいいな。


私も隼とこんな感じでいつも言い合ってたなぁー。


でも隼とは言い合いというより


喧嘩と言った方が正しいかな？


.



2人を見ながら、


幼い頃の隼と自分を思い返していた。



隼ってすぐ謝る。


でも謝ってる時の顔が可愛くてすぐ許しちゃう。


本当に隼は昔から私の支えだな…。


弱い男って思う時もあったけど、


本当はすごい優しいだけで弱くない。


自分をちゃんと持ってるし、


…私には優しすぎるんだよなぁー。


幼い時の隼…まん丸で可愛かったな。




.




涼太「…ん、ほら(ｺｿ)」


龍友「はっ！ほんまや！」


涼太「シーッ！静かに(ｺｿ)」



.



カシャっ。



えっ？いきなり携帯のカメラの


シャッター音が鳴って驚いた。




涼太「見て！！ほら！見て！」




満面の笑みで携帯を見せてくる涼太くん。


『えっ！』



画面には自然に口角が


上がっている私が写っていた。



笑顔と言うより微笑んでるって感じの…。


信じられない。

112→←110

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す