i love u … 《１》

29 翔吾side ページ29

.


翔吾side



明日朝から長丁場の撮影があるから

匠海とご飯に行かずにタクシーに乗って帰った。



家に着いて、今日のAちゃんの演技の余韻に浸ってると

テーブルに置いたスマホが明るくなった。



翔吾「えっ！！！」



てっきり3人のグループLINEに

Aちゃんからの返信が来たんやと思ったら

…個人のLINEに……Aちゃんからメッセージが届いた。




慌ててソファに正座をして……

Aちゃんから届いたメッセージを読んだ。




“ 今日は見に来てくださって
ありがとうございました！”


“ はちみつも嬉しかったです ”


“ 今日早速いただきます ”




ごくごく普通。当たり障りのない文章。


でも、匠海との3人のグループLINEやなくて…

個人的にLINEをくれた事が嬉しくて……




翔吾 “ こちらこそ本当に感動しました。
心温まる舞台をありがとうございました！”




送信して後悔した。


すぐに既読になったけど……これじゃ話が続かない。


どうしよう…どうしたら……



“ 全然関係ないんですけど、実はこれ家にあるんです！ ”



続けて送られてきた写真には、

俺が帯をさせて頂いた小説が写ってた。



翔吾 “ まさか持ってるとは！笑
本好きなんですか？ ”


“ はい。暇さえあれば本を読んでます。”


翔吾 “ 俺も本好きです！オススメの本ありますか？ ”


“ 三浦しをんさんとか湊かなえさんとかは全作品持ってます ”


翔吾 “ 僕も三浦しをんさん好きです！！ ”




まさかの小説の話で盛り上がって、

他にお互いおすすめな本の話をして

気付いたらいい時間になっていた。




パタリとLINEが来なくなって、

おやすみなさいってLINEをしてベッドに横になった。





翌朝、眠たい目を擦りながらカーテンを開けて、

枕元に置いてあるスマホを手に取った。





“ 昨日はすみません。いつの間にか寝てしまいました ”


“ 今日もお仕事頑張ってください！ ”




AちゃんからのLINEを見て眠気もぶっ飛び、


家を出る支度をした。




あぁ今日は天気がいいなぁ。

30→←28

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す