不器用な恋 〈1〉

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「おはようございます。」




笑顔で俺らに挨拶をしたAさんが


メイクさんの列にいた。




早くAさんを見つけたくてキョロキョロしてた。




陣「えっ？Aさん！」


彰吾「お、えっ？はっ？なんでいるんすか？」


LIKIYA「Aさんだ！」


瑠唯「わぁーお久しぶりです。」


壱馬「あれ？Aさん？ん？」


健太「あっ！」


龍「あれぇー？Aさんがいるー！」




Aさんがいるのを見て、


みんなが驚いてたし、嬉しそうな顔をしてた。





まぁ俺は今日来ることAさんから聞いてたから


知ってたんですけどぉー。





「ふふっ。ヘルプで呼ばれました。
お久しぶりです。」





翔吾「こういうことか。」




ニコッと笑って俺に話しかけてきた翔吾さんに、


えぇまぁって返事をした。




翔吾「いいよねぇ。翔平は。」


翔平「でも翔吾さんも、」


翔吾「それ禁句だから。」


翔平「っ…すみません。」


翔吾「はぁ…いいなぁ翔平。」


翔平「まぁ、叶わない片想いですけど。
なんちゃって。笑」


翔吾「ふふっ。応援してるよ。」


翔平「…。」






今日は早朝からJr.EXILEのMV撮影の日。



限られた時間での撮影のため


人手が必要ということで


Aさんがヘルプとして1日手伝いに来てくれた。




翔吾さんと話してると


真っ先に健太さんがAさんに、


前髪をこうやってほしいんすけどって声をかけてた。





素早いなぁ。



楽屋入りして弁当チェックするスピードと


同じくらい素早かった。



抜かりない先輩。




よほどAさんと会えたのが嬉しかったのか、


いつもヘアメイク中、無言の健太さんが


Aさんとは話してた。





翔平「…。」




5歳差の俺よりも


健太さんとの雰囲気の方がマッチしてて


お似合いに思えてきた。



いかん。今日は大事な日だ。




そんなネガティヴな気持ちは


この広い大地に飛んで行けーってな。

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