不器用な恋 〈1〉

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翔平「本日、行ってまいりますっ！」


壱馬「うん。っても髪染めに行くだけやけどね。笑」


慎「行ってらっしゃーい。」




よろしく言っといてって壱馬さんに言われ、


いざ決戦の火蓋が切られる戦場(サロン)へ。





緊張しながら、サロンのドアを開けて顔を出した。




「こんばんは。お待ちしておりました。どうぞ。」


翔平「あ、どう、も。」




笑顔で迎えてくれたAさん。



営業スマイルだろうとその笑顔は罪深いほど眩しい。




他に誰もいないサロン。




席に案内されて座った。



鏡越しにAさんと目が合うと微笑まれた。


天使のような微笑み。



翔平「…無理言ってすみません。」


「いえいえ。ありがとうございます。
美容室をかえるって結構勇気入りますよね。」


翔平「いえ、Aさんの腕を知ってるんで。」


「ふふっ。ありがとうございます。
で、何色にしたいとかありますか？」



そう言って俺の髪に触れたAさんが


少しだけ首を傾げて、鏡越しの俺と目合わせた。




翔平「吉野北人のように出来ますでしょうか？」


「えっ？笑」




こんな感じでって北さんの写真を見せると、


ふふっと笑ったAさん。




「吉野さんのようなツートーンにするには
髪の毛の長さが足りないですね。」


翔平「…そうですか。」


「浦川さんは吉野さんに憧れてるんですか？」


翔平「いえ、あ、いえって言うのも北さんに失礼か。
ただこういう髪型もいいなと思いまして。」


「髪色ガラッと変えたいんですか？」


翔平「どうですかね？」


「浦川さん赤似合ってるんで、
ツートーンにしたいなら、
今伸びてきた黒髪を活かして
メッシュで赤を入れるとか。
今よりちょっと濃い赤入れると
また雰囲気も分かりますよ？」


翔平「なるほどぉ。」


「今のRAMPAGEの皆さんの髪色で
赤っていらっしゃらないので
ありかなと思ってたんですけどね。」


翔平「えっ？」


「今日浦川さんがいらっしゃるから、
昨日皆さんの髪色チェックしたんですよ。」


翔平「そうなんですね。
じゃあ、それでお願いします。」


「はい。では準備していきますね。」




こういうところも惹かれる1つだ。




事前にメンバーのことをチェックしてたなんて。

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