不器用な恋 〈1〉

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陣「名刺睨んどっても連絡はこーへんで？」


翔平「っ！わ、わかってますよ。」



Aさんから頂いた名刺には


LINE IDが書かれていて…


毎日のように名刺とにらめっこしている自分は


もうとっくにIDを暗記してしまった。




壱馬「渡されたんだからLINE送ればいいじゃん。」


慎「僕なら渡されたその日に連絡しますけどね。
日にちが経つと連絡しにくくなるし。」


翔平「おい、まこー！分かってることを言うなよ。」




ばっちりタイミングを逃した。



あの日、ごちそうさまでしたと


すんなり送ってしまえば簡単だったことを…


日が経つにつれて


連絡する口実がなくなってしまった。




彰吾「あとは、髪を染めたいって
純粋に依頼のLINEをすればいいんじゃね？」


壱馬「それなら会うことも出来ますしね。」


翔平「確かに…。」


彰吾「むしろ、なぜそこに
気付かなかったのかが俺としては謎。」


翔平「…。」




その手があったか！




最近色落ちてきて染めたいと思ってたから、


2度美味しいやつじゃないっすか！





夜に勇気を出してAさんにLINEした。




翔平 “ お疲れ様です。浦川翔平です。
今度髪を染めていただきたいのですが
いつ頃お時間ありますでしょうか？ ”




返信がいつ来るのかソワソワして落ち着かなかった。



心を落ち着かせるためにシャワーを浴びて上がると、


Aさんからの返信が来てた。




“ お疲れ様です。ご連絡ありがとうございます。
他のお客様のご予約が入っていたら難しいですが、
浦川さんのご希望のお日にちと時間を
教えて頂ければ調整致します。
いくつか候補をあげていただけると助かります。 ”





真面目な仕事モードのLINE。



そりゃそうだけど。




おっけー翔平っ。いつがいい？


くらいのラフなLINEは…ありえないか。





何回かやり取りをして、日時が決まった。

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